ヤマハ発動機は6月22日、スポーツツーリングモデル「TRACER9 GT ABS」を7月28日に発売すると発表した。
「TRACER9 GT ABS」は、“Multirole fighter of the Motorcycle”をコンセプトに開発されている。同社によると、エンジン・車体ともに大幅に進化・軽量化した「MT-09 ABS」をベースに、高いスポーツ性能と、ツーリングなど多用途に使える実用機能を磨きながら、軽量化技術を織り込み、同クラス最軽量級の車両重量を実現。また、新しい「TRACER」の世界を提唱するスタイリングを採用している。
■「TRACER9 GT ABS」の新たな特徴
1)トルクフルな新888cm3CP3エンジン
888cm3・水冷・4ストローク・DOHC・3気筒・4バルブの平成32年排出ガス規制適合のCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンを搭載している。ピストンやコンロッドなどの多くの主要パーツを新設計し軽量化。燃料供給系も一新した。
2)軽量CFアルミダイキャスト製の新フレームと専用リアフレームおよびリアアーム
2021年モデルの「MT-09 ABS」のフレームをベースに「TRACER9」用に専用チューニングを施した新フレームを採用。また、リアフレーム、リアアームを専用設計している。
3)独自のSPINFORGED WHEEL(スピンフォージド ホイール)技術による軽量アルミホイール
軽量ホイールは、従来の「TRACER900」より前後で約1000gの軽量化と慣性モーメントをフロント11%、リア15%低減させたことにより、アジャイルな運動性能に貢献する。また、ブリヂストン社と共同開発の専用チューニングの新タイヤ「BATTLAX SPORT TOURING T32」を採用している。
4)新IMUを活用した運転操作を支援する各種制御
新開発の「IMU」(Inertial Measurement Unit)を搭載。2015年モデル以降の「YZF-R1」で実績のある「IMU」の基本性能を維持しつつ、センサー構成を見直すことで50%の小型化、40%の軽量化を実現した。
5)優れた乗り心地、接地感をもたらすKYB製前後電子制御サスペンション
KYB社と共同開発の電子制御サスペンション「KADS(KYB Actimatic Damper System)」を採用。減衰力の調整機構には、同社初となるソレノイド駆動を用いており、優れた接地感やスポーツ走行時の高い路面追従性を実現する。
6)機動性と機能性を表現したスタイリング
「MT-09 ABS」のプラットフォームをもとに、スクリーン、フロントカウル、ブラッシュガードなど最適なウインドプロテクションのための機構をコンパクトにまとめ、専用設計した灯火器の採用で、旅のための機能を最優先にしたデザインとした。
7)スポーツツアラーとしての快適性と機能性をさらに高める充実装備と車体構造
・夜間走行でライダーの負担の低減を図るコーナリングランプ
・3バッグ搭載を可能にするダンパー内蔵サイドケース用ステー
・3.5インチダブルTFTメーター
・新作のグリップウォーマー
・足つき性も向上した快適な新ライディングポジション
■TRACER9 GT ABS
– カラー
・ブルーイッシュホワイトメタリック2(シルバー)
・ビビッドレッドソリッドK(レッド)
・マットダークグレーメタリックA(マットグリーニッシュグレー)
– 発売日
2021年7月28日
– メーカー希望小売価格
1,452,000円(本体価格 1,320,000円/消費税 132,000円)
– 販売計画
1,000台(年間、国内)