JAPAN MOBILITY SHOWヴァレオブースでのMETAx社の「クロスケ」
MUV搭載のフル推進システムがスペシャル・イノベーション賞獲得
ヴァレオジャパンは1月26日、〝METAx社(超小型EV技術研究組合)〟が開発したMUV(マイクロ・ユーティリティ・ヴィークル)〝クロスケ〟へ搭載されたヴァレオのフル電動推進システム「ヴァレオeAccess」が、「スペシャル・イノベーション賞」を獲得したことを発表した。
この栄冠は、在日フランス商工会議所が上記発表前日の1月25日に開催した〝フレンチビジネス大賞2024〟で、同大賞の診査対象テーマの中から審査員達が最もイノベーティブであるとの評価を与えられて受賞に至ったもの。
なお〝クロスケ〟を開発したMETAx社とは、去る2022年10月11日に経済産業省の認可を受けて設立したベンチャー企業。METAx社は、安心・安価・安全で実用的なモビリティを作るべく参画4社が技術を持ち寄り設立された新会社。
その4社がMETAx社に於いて担う個々の役割は、主にエイチワンが構造設計を。都筑製作所が車体剛性解析を。ブルースカイテクノロジーが緩衝装置並びに機能開発を。山田製作所が操舵システムを担い、高品質な国産超小型EVの実現を目指してきた。
一般的に小型電動車は、どれだけカーボンフットプリントを減できるかが鍵となる。そうしたなかでヴァレオは、自らのハイブリッド車用の高電圧電動パワートレイン技術を背景に、二輪車、三輪車、小型車両向けの48Vの低電圧ソリューションの開発に着手していた。
フレンチビジネス大賞2024の表彰式の壇上でのヴァレオ・パワートレイン・リージョナル・セールス・ダイレクターのフィリップ・モレルス氏
そうした背景からヴァレオはMETAx社へ、シトロエンAMIの電動パワーユニットを筆頭に、既に自国内で定評を得ていたフル電動推進システム「ヴァレオeAccess」とDC-DCコンバータを提供。今回、ヴァレオとMETAx社の協業により〝クロスケ〟が誕生した。
提供されたヴァレオeAccessは、2021年のオートモーティブニュースPACEアワードを獲得した他、既にインドや台湾でも販売されている。
そもそも〝クロスケ〟のようなMUVは、二輪車より大きく、軽自動車より小さいサイズで小規模な配送用途に使われることを想定するもの。走行時に安定感に欠く二輪車とは違い、四輪車であることからバイクよりも安心で、かつ軽自動車より、ふた回りも小さいため小回りが利く新たな選択肢となる。
そんな〝クロスケ〟は来たる2025年後半の予約開始を目指しており、先のJAPAN MOBILITY SHOW 2023(東京ビッグサイト)のヴァレオブースで披露されたことで、日本でも48V電動パワートレインの新たな道を拓くものとして注目を集めた。
日本に於ける48V電動パワートレインの可能性についてヴァレオジャパンのアリ・オードバディ代表取締役社長は、「フランスでの小型モビリティ向けカーボンフットプリント削減で、既にテックサプライヤーとしての立ち位置を確立している当社と、日本のMETAx社との取り組みが今回、評価されたことを光栄に思います。
またヴァレオカラーで仕立てられたクロスケは、1月24日から26日まで東京ビッグサイトで開催されているオートモーティブワールド2024に於いて、METAx社参画企業の都筑製作所のブースで展示されました」と述べた。