トヨタ自動車は11月25日、国土交通省の是正命令(7月31日)を踏まえて、現在までの取り組みをまとめた再発防止の進捗状況(四半期報告の第一回目)を、同省に報告した。
同社では、今回の是正命令をきっかけとして、経営層が現場に足を運ぶ中で、設備の老朽化など必要な手立てを必要な時にとれていなかったことを認識。この状況を改善するため、中長期的に必要なことを経営で即断即決し、全ての従業員に実施事項を共有していくと共に、現在進めている、従業員の一人ひとりが法令遵守の意識を高め、正しく仕事ができる仕組み・体制の見直しを継続していくと云う。
そして、これらの取り組みを通じて、ステークホルダーに改めて信頼されるよう、今後も全社一丸となり再発防止を進めいくとしている。
再発防止の具体的な進捗
現在トヨタでは、経営層が現場に入り、開発・認証を進める「現場経営」と、その中で見えてきた課題に対して、以下の対策を実施している。
・異常に気付き、すぐに適切なアクションをとれる基盤を強化するため、経営層が自ら現場から学び、「人づくり」「モノづくり」「基盤の強化」の観点で環境整備、リソーセスを充当。
・開発と認証の各工程に於いて、経営が必要な節目ごとに適切な判断ができるよう、責任者とプロセスを見直し。
・経営層による認証ルールの理解、遵法意識の向上のため、教育プログラムを導入。
・法規主監による社内認証試験の立会い、監査結果の経営層への共有。
・認証に関わるデータ類の保管、運用整備。
・試験結果を自動作成するデジタル技術の活用(人的ミスや作業負荷等の低減)。
・教育現場(品質学習館など)を活用した開発/認証部署の遵法意識の向上、全従業員を対象としたe-learningの実施。
また、法規認証TPS自主研では、開発に於ける根本的な課題をテーマに、グループ全体での風土づくりに取り組むなど、開発・認証業務に留まらず、企画から販売までのプロセス全体の仕事のやり方を見直す機会と位置づけ、前工程・後工程の影響を理解した上での改善活動を実施している。