東レは9月17日、ドイツにある同社の関係会社が現地企業と共同製作したデザインコンセプトカー「APURE(エーピュア)」が、世界的に権威のあるデザイン賞の一つである〝レッド・ドット・デザイン賞(Red Dot Design Award/※1)〟を受賞(デザインコンセプト部門)したことを発表した。
エーピュアは、〝Toray Industries Europe 〟(本社:ドイツ・ヘッセン州/TIE)と〝Rhein-Main-Verkehrsverbund〟(本社:ドイツ・ヘッセン州/以下、RMV/※2)、〝neomind〟(本社:ドイツ・バイエルン州/※3)が共同製作した次世代自動運転公共交通のデザインコンセプト。
東レグループが持つ先端材料を最大限に活用し、RMVが推進する自動運転公共交通の運行実証プロジェクト「EASY」で蓄積された搭乗者ニーズと規制・規格に関する知見を盛り込むなどして、neomindが製作。
サステナビリティを考慮し、植物由来素材やリサイクル素材に重点を置いた内装材料や、高い収容力・安全性・快適性がバランスされたレイアウトなどを特徴とし、実際に走行可能なレベルの設計を実現。東レは、今回のレッド・ドット賞の受賞は、これらのコンセプトが提供する高い価値が認められたものと受け止めていると云う。
なお、ベルリン国際見本市会場で9月24日(火)から27日(金)まで開催される国際鉄道技術専門見本市「InnoTrans 2024」(主催:メッセ・ベルリン)の東レブースでは、これらコンセプトに基づいて製作された、実際に乗降可能なエーピュアのモックアップモデルが披露される。
※1:1955年に設立された、世界的に最も権威あるデザインに関する賞の一つ。ドイツ・エッセンを拠点とするノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催。「プロダクトデザイン」「ブランド&コミュニケーションデザイン」「デザインコンセプトの3部門で構成され、それぞれ世界的なデザインの専門家により審査が行われる。
※2:RMVはドイツ最大の交通機関のひとつであり、フランクフルト/ライン=マイン地域の鉄道、バス、オンデマンド・モビリティなどの新しいモビリティによる地域公共交通を調整・組織している。
※3:neomindはドイツ・ミュンヘンに本社を置くデザイン会社。
[InnoTrans 2024出展概要]
– 展示会名:InnoTrans 2024
– 会期:2024年9月24日(火)~27日(金)
– 場所:ドイツ・ベルリン ベルリン国際見本市会場
<東レ展示ブース内容 >
– 出展場所:ホール1.1 小間番号575
– エーピュア・モックアップモデルの搭載材料
・(環境対応)ウルトラスエード(100%植物由来ポリエステル使用/※4)、ウルトラスエード ヌー(100%植物由来ポリエステル使用/※4)、ポリオレフィン発泡体 トーレペフ(一部植物由来原料使用)、IR遮蔽フィルム ピカサスIR、炭素繊維 トレカのリサイクル品を用いた中間基材。
・(快適性)高機能真球ポリマー微粒子 トレパールPA6、炭素繊維強化樹脂 トップファインCF、プラスチック光ファイバー レイテラ。
※4:ISO16620-1 3.1.5「biobased synthetic polymer content」(植物由来比率)が100%のポリエステル。
東レは今後も、「高分子化学」、「有機合成化学」、「バイオテクノロジー」そして「ナノテクノロジー」の4つのコア技術を駆使して、社会を本質的に変える力のある革新的な素材の研究・技術開発を推進することで、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでいくとしている。