トヨタ自動車と23XIレーシングは6月7日、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のドライバー兼WEC(FIA世界耐久選手権)のチーム代表である小林可夢偉が8月13日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われるNASCARカップ・シリーズのロードコース戦に、Toyota Genuine Parts Camry TRD 67号車でデビューする。
小林選手はカートからレースキャリアを始め、多くのタイトルを獲得後、フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS:現TGR-DCレーシングスクール)のスカラシップを得て、フォーミュラレースにステップアップ。
トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP:現TGR-DC)の支援の下、ヨーロッパで経験を積んだ。その後、欧州のフォーミュラ・ルノーやGP2アジアでのチャンピオンを獲得するなどの活躍を見せた小林選手は、2006年にトヨタF1チームのサードドライバーとして契約。2009年のブラジルGPでレースデビュー。2014年までF1に参戦した。
その後、日本のスーパーフォーミュラやSUPER GTに参戦すると共に、TGR WECチームにドライバーとして加わり、2020年にはWECシリーズ世界チャンピオン。2021年にはル・マン24時間レースも制した。
また2022年にはIMSAウェザーテック・スポーツカー・シリーズのLEXUSレーシングプログラムで、負傷したジャック・ホークスワースの代役としてカナディアンタイヤ・モスポートパーク戦に出場。現在はスーパーフォーミュラと、WECシリーズにTGR WECチームのドライバー兼チーム代表として参戦している。
今回、小林選手が参戦するストックカー・シリーズのNASCARは、主にオーバルコースで戦われるが、年間数戦ロードコースでのイベントが含まれており、今回小林選手がスポット参戦するのもその一戦となる。具体的にはインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで行われる第24戦にあたる。
なお、この第24戦の決勝は8月13日、現地時間午後2時半(日本時間14日午前3時半)にスタートが切られる。
決勝でステアリングを握る事になったTOYOTA GAZOO Racingドライバー兼WECチーム代表の小林可夢偉選手は「アメリカのモータースポーツ文化は、日本やヨーロッパとは少し違いがあります。
中でも独特の文化を持つNASCARは、現地のドライバーにとってはアメリカンドリームです。私は幸運にもここ数年、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の幾つかのレースを戦ってきました。
IMSAとNASCARは異なるレースではありますが、レースのテクノロジーは非常に高いレベルにあると思っています。
この機会を与えてくれたTRD-USAと北米トヨタ、TGRに本当に感謝しています。トヨタがNASCARに参戦を開始してからしばらく経ちますが、トヨタの車両でカップ・シリーズに参戦する日本人ドライバーは私が初めてになると思うので、このチャンスをいただけて本当に嬉しいです」と話している。
またTRD-USA(Toyota Racing Development)のデビッド・ウィルソン社長は「NASCARカップ・シリーズプログラムへの参加を可夢偉が望んでくれたことは本当に光栄です。
23XIレーシングの協力の下、競争力の高いTRDカムリでインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースイベントに出場してもらえることに期待が高まっています。
可夢偉は、トヨタとTRD-USAの社員全員が常に抱いているモータースポーツへの情熱を共有しており、彼がTRDカムリをドライブしてNASCARプログラムに参加してくれるのがとても楽しみです」と述べている。