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2023年6月9日【イベント】

TGR、ル・マン24Hで水素エンジン耐久レーサーの試作車公開

坂上 賢治

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GR H2 Racing Concept

 

サルト・サーキットで開催されたACO(フランス西部自動車クラブ)のプレスカンファレンスにトヨタ自動車会長の豊田章男氏が参加し、ル・マン24時間レース100周年の祝辞と共にレースを通じトヨタ自身が鍛えられたことへの謝意を述べた。( 坂上 賢治 )

 

また、先の富士耐久レースに於けるトヨタ佐藤社長・マツダ新社長(毛籠勝弘取締役専務執行役員)が出席したプレスカンファレンスの壇上に於いて、ACO会長から公表された「水素カテゴリーへ燃料電池車両に加え水素エンジン車両の参戦を認める」との申し出を受け、TOYOTA GAZOO Racingは将来の参戦を見据えた水素エンジン車両のコンセプトカー「GR H2 Racing Concept」を現地に於いて発表している。

 

 

トヨタは、これまで2021年スーパー耐久シリーズ第3戦より水素エンジンカローラで参戦し、2022年12月にはタイのチャーン・インターナショナル・サーキットにて開催された「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」にも同車両で参戦。

 

こうしたモータースポーツの舞台に於いて、カーボンニュートラル(CN)社会の実現を目指し、水素を「つくる」「はこぶ」「つかう」の取り組みを示唆続けて来たことが実を結んだ。

 

 

なお「GR H2 Racing Concept」は、ル・マン24時間レース期間中、会場内ACOのH2ビレッジで展示される予定だ。(展示期間 : 現地時間の6月9日9:30より6月11日まで)

 

併せてトヨタ自動車の豊田章男会長は、「ル・マン100周年おめでとうございます。ル・マンは世界で最も有名なレースということだけではありません。

 

ル・マンは、我々が技術の限界を超えていける場所、そして未来を実現していける場所です。私たちの想いを、世界の皆さまに知っていただく機会を与えていただいたACOとル・マンに心から感謝いたします。

 

三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY

 

モータースポーツでカーボンニュートラルを実現すること、それも、レースでのパフォーマンスや興奮を犠牲にすることなく、それを実現することを私は目指しています。

 

私どもの新たな水素レーシングカーが、将来、水素クラスに参加することを楽しみにしています。そこには、音も、トルクも、迫力も、すべてが揃っています。これは単なる新型レースカーではありません。ゼロエミッションで戦うレースカーです。次の100年後も、こうしてチェッカーフラッグが振られることを祈っています」と述べた。

 

一方、ACO Pierre Fillon会長は、「この2023年6月9日という日は、世界一の自動車メーカーが、新たな水素エンジンの取り組みを発表した日であるという、ル・マン24時間と、FIA世界耐久選手権の歴史の中の金字塔として、将来振り返られるでしょう。

 

ちょうど100年前、我々ACOは、ル・マン24時間を立ち上げ、それは、まさに自動車業界にとって、技術開発の実験場となってきました。

 

そして、昨今、モビリティはエネルギー転換という革命を迎えており、ル・マン24時間は、持続可能なテクノロジーの探求を続けております。

 

2018年より、ACOは、Mission H24とGreenGTとともに、安全で効率的なエネルギーとしての水素の導入を推進してきましたが、本日、我々は、2026年ル・マン24時間の水素カテゴリーの創設に向け、重要な一歩を踏み出しました。

 

繰り返しになりますが、自動車メーカー各社の志と同調し、耐久レースは持続可能なモビリティの実現へコミットメントを示しました。

 

私は、技術的な多様性を追求する、トヨタの挑戦、ACOに関わる人々のビジョン、そして、WECとル・マン24時間に敬意を表します。豊田さん、今回の発表をされたことで、ル・マン24時間の歴史にあなたの名が刻まれました」とのコメントを残した。

 

 

GR H2 Racing Concept車両概要は以下の通り
パワートレーン: 水素エンジン+ハイブリッドシステム
諸元 全長 :5,100mm
全幅 :2,050mm

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。