インディカー・シリーズ(IndyCar Series)で、過去10度チャンピオンチームに輝く米チップ・ガナッシ・レーシング(Chip Ganassi Racing)は1月17日、2023年の同シリーズ戦に於けるオーバルレース開催ラウンドに佐藤琢磨選手を起用すると発表した。
今季挑むのは、インディアナポリス500を含む高速でのレースが展開される楕円形コースレイアウト(毎年5戦以上がカレンダーに組み込まれる)のラウンドを選択しての戦いとなる。
佐藤選手はホンダのドライバー育成プログラムである鈴鹿レーシングスクール(現ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿)を1997年に卒業。2002年からはFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)に出場し、2004年アメリカGPでは表彰台を勝ち取った。
インディカー・シリーズには2010年から参戦を開始。特にF1モナコGP、ル・マン24時間レースと並ぶ世界3大レースのひとつとして知られ、決勝日には35万人を超える観衆の前で最高速度380km/hにもなるスピードで争われるインディアナポリス500マイルレースを2017年と2020年に制覇している。
今シーズンは先の通り、自身3度目の優勝を目指すインディ500を含めたオーバルコースで開催される複数(開催5戦)のレースに参戦する。具体的にはカーナンバー11の車両を、ルーキーのマーカス・アームストロング選手と共有しての戦いとなる。
佐藤琢磨選手は「2023年にチップ・ガナッシ・レーシングに加入できる事に、言葉では表せないほどの期待と感激を抱いています。
このチームはもう何十年にもわたってシリーズのトップに位置しているチームであり、言うまでもない事ですが競争力の高さは圧倒的です。
オーバルレースに集中するのは僕にとって新たな経験ですが、これまでチャンピオンシップやインディ500を何度も制したチームメンバーやチームメイトと参戦する事が大きなアドバンテージとなることは間違いなく、その可能性に胸をワクワクさせています。チャレンジが始まるのを待ちきれない気分です」と話している。
佐藤琢磨選手の主な戦績は以下の通り
1997年
鈴鹿レーシングスクール フォーミュラ(SRS-F)を卒業
2001年
英国F3選手権チャンピオン
マスターズF3優勝
マカオGP優勝
2002年
ジョーダン・ホンダよりF1デビュー
2003年
B・A・R ホンダに移籍
2004年
F1 第9戦アメリカGPで3位表彰台
2006年
スーパーアグリ・ホンダに移籍
2010年
KVレーシングよりインディカー・シリーズに参戦
第94回インディアナポリス500にてインディ500に初挑戦、20位完走
2011年
インディカー・シリーズ第8戦で日本人初のポールポジション獲得
2012年
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍
第4戦サンパウロで自身初の3位表彰台
第96回インディ500にて終盤まで優勝争いを演じるも、惜しくも最終ラップでスピン
2013年
AJフォイト・レーシングに移籍
第3戦ロングビーチでインディカー・シリーズ日本人初優勝
2017年
アンドレッティ・オートスポーツに移籍
第101回インディ500で日本人初優勝
この勝利により内閣総理大臣顕彰受賞
2018年
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍
2019年
第103回インディ500でトップに約0.3秒及ばず、3位
2020年
第104回インディ500予選で日本人過去最高位となる3位
決勝レースで自身2度目となる優勝
2021年
第105回インディ500で連覇を狙うも、14位。
2022年
デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシングから参戦
2023年
チップ・ガナッシ・レーシングに移籍、3度目のインディ500制覇を狙う
皆さん、お待たせいたしました。2023シーズンはChip Ganassi Racingより11号車でオーバル戦に出場いたします! pic.twitter.com/r9frB83zIN
— Takuma Sato (@TakumaSatoRacer) January 17, 2023