
公益財団法人スズキ財団は2月21日、「第5回やらまいか大賞・特別賞」を決定した。この「やらまいか大賞」および「やらまいか特別賞」は、スズキ財団の創立40周年を記念して2020年に創設。国内の機械工業技術の更なる発展を目的に「何事もまずはやってみよう」という「やらまいか精神」で常に意欲的に挑戦し、優れた功績をあげた研究者を顕彰する事業を指す。
そんな「やらまいか大賞」は、国民生活用機械等の生産・利用・消費に係る科学的研究、およびその成果に関する発展に顕著な功績のあった研究者について顕彰。
また「やらまいか特別賞」は、過去においてスズキ財団の科学技術研究助成及び課題提案型研究助成を受けたものの中から、その成果が将来に渡り、顕著である研究者について顕彰する。
この両事業は年一回実施し、大賞受賞者には賞状及び金杯、副賞として1,000万円、特別賞受賞者には賞状及び金杯、副賞として300万円を贈呈する。第5回「やらまいか大賞」および「やらまいか特別賞」は、2024年3月11日から5月31日まで募集を行い、審査委員会の審査を経て、2025年2月21日にスズキ財団理事会にて受賞者を決定した。
第5回やらまいか大賞・特別賞受賞は以下の通り
(1)やらまいか大賞
受賞者 :東京大学 特任准教授 加藤 真平(かとう しんぺい)氏
受賞名 :自動運転の研究開発とAutowareの開発による普及への貢献
顕彰理由 :加藤真平氏は、コンピュータ科学の研究者として自動運転用オープンソースソフトウェアAutowareを開発し、世界のあらゆる個人と組織が自動運転技術の発展に貢献できるシステムを作った。さらに、「やらまいか精神」を発揮して、大学発スタートアップとAutoware普及のための非営利団体を創設し、自動運転技術の発展と人材の育成に多大な貢献をあげた。
(2)やらまいか特別賞
受賞者 :山梨大学 教授 野田 善之(のだ よしゆき)氏
受賞名 :天井クレーンシステムにおける軌道計画の高速化による実用的な自動搬送制御システムの開発
顕彰理由 :野田善之氏は、スズキ財団が2015年度に助成した「天井クレーンシステムにおける軌道計画の高速化による実用的な自動搬送制御システムの開発」の研究成果を発展させて、天井クレーンの荷振れと障害物を回避した走行軌道計画法を構築した。さらに、実用化における困難を「やらまいか精神」で乗り越え、天井クレーンの安全性向上に貢献した。