スズキ教育文化財団は9月19日に、令和4年度(2022年度)の奨学生として新たに決定した高校生40名と大学生6名の奨学生認定証授与式を行い、鈴木俊宏理事長(スズキ株式会社 代表取締役社長)より認定証を授与した。
同財団の奨学金給付事業は、平成12年(2000年)に設立して以来、向学心を持ちながらも経済的な理由で学業に専念できない静岡県内の高校生を対象に行い、平成16年(2004年)からは県内の高校を卒業した大学生にも対象を拡げ、今年で22年目となった。
財団の理事長である鈴木俊宏氏は、「私たちの社会は、AI、ビッグデータ、IoT、ロボットなどの技術革新により、「第4次産業革命」と呼ばれる産業構造、就業構造の大転換を迎えようとしています。しかし、こうした急激な変化は、人々の期待と可能性を広げる一方、ひずみや格差を拡大させているという面も見逃すわけにはいきません。
人口減少、少子高齢化が急激に進む中で、高額な消費を楽しむことができる人たちが見られる反面、親の病気、失業、事故、離婚などの理由で家計が困窮し、思うような教育が受けられないという若者も増加しています。
また、近年では「子どもの貧困」が問題となっており、貧困の連鎖を断ち切るためには子どもたちに学習の機会を届けることが必要だと言われています。
スズキ教育文化財団は、スズキ株式会社の創立80周年記念事業として5億円の基金を設け、静岡県内の青少年の育英を目的に、平成12年(2000年)10月に設立したものです。当財団は、学問への志がありながら経済的な理由で困っている青少年を手助けし、有為な静岡県人を育てるために微力ながら寄与したいと願っています」と財団の趣旨について述べている。
なお奨学金支給期間は、高校生が3年間(月額2万円:高等専門学校生は5年間)、大学生は4年間(月額5万円)で、いずれも返済不要。
今年度は、静岡県内の高校に進学した新入生28名と、在学中に家庭環境などが急変した高校2、3年生12名、合わせて40名の高校生と6名の大学生を認定した。
現在、高校生67名、大学生13名に対し給付を行っており、このたび認定した高校生、大学生を加え、高校生107名、大学生19名の計126名に奨学援助を行っている。
また、同財団は「奨学金給付事業」に加え、静岡県内の特別支援学校PTAに対して児童・生徒が使用する物品の寄贈を行う「特別支援学校支援事業」や「外国人学校支援事業」も行っている。
1.財団の概要
名称 :公益財団法人 スズキ教育文化財団
所在地 :〒432-8611 浜松市南区高塚町300
理事長 :鈴木 俊宏(スズキ株式会社 代表取締役社長)
設立日 :平成12年(2000年)10月12日
2.総資産(令和4年3月31日現在):41億5,484万円
3.これまでの助成実績(令和4年3月31日現在)
- 奨学金給付524名 (4億0,338万円)
- 特別支援学校支援事業75件 (6,185万円)
- 静岡県認可の外国人学校に対する支援12件 (1億1,050万円)
- 静岡文化芸術大学スズキ奨学基金への補助10件 (1,530万円)
- 浜松市の外国人児童学習支援事業1件 (200万円)
助成総額5億9,303万円