ジャガー・ランドローバー・ジャパンは5月29日、ジャガー・ランドローバー・クラシックが手掛けた復刻車「C-TYPE CONTINUATION」と「D-TYPE CONTINUATION」の日本初上陸を記念し、6月5日~14日に富士モータースポーツミュージアムで公開。更に6月18日には、クラシックカーオーナー向けのミーティングイベント「Ralph’s Coffee & Cars supported by Octane」開催での展示を行う。
ジャガー・ランドローバー・クラシックとは、世界中のクラシックジャガーとランドローバーの愛好家のために、真正の車両、エキスパートによるサービス、純正部品、そして忘れられないエクスペリエンスを提供する部門。
主要拠点のジャガー・ランドローバー・クラシック・ワークスはコベントリーにあり、そこでは高度な技術を持つエンジニア、卒業生、実習生からなるチームが両ブランドの優れたリボーン・レストアや、ジャガーの「Lightweight E-TYPE」、「XKSS」、「D-TYPE」、「C-TYPE」など、オリジナルの仕様での製造再開(コンティニュエーション)を専門に手掛けている。
さて今回、日本に上陸した〝C-TYPE〟と〝D-TYPE〟はレース専用車として開発され、20世紀半ばのレースシーンで最も成功したモデルだ。
特に「C-TYPE」は、1951年にル・マン24時間耐久レースに初参戦し優勝を果たし、その後1953年にも平均速度105.851マイルの新記録も打ち立て優勝した。また「D-TYPE」はル・マンでの優勝を目指して開発したモデルで3 年連続(1955 年、 1956 年、 1957 年) で総合優勝を果たした。
復刻は2022年。1953年のル・マン24時間耐久レースでの勝利から70周年を記念してデビューした。製造では1台あたり、ジャガー・クラシックのエンジニアによる最低250マイルのフィジカルテストと、3,000時間に亘る集中的かつ高度な技術を要する工程を経て製造。完成後は全て1,000マイルの高速耐久テストが実施される。
今回、展示されるジャガー「C-TYPE CONTINUATION」と「D-TYPE CONTINUATION」は、このジャガーの最も象徴的なレーシングマシンを新たに製作したもの。顧客の要望に応じて台数限定で製造・販売されるスペシャルモデルであり、オーダー毎のパーソナライズにも応える。
車両製作では、当時の機械製図をベースに最新のCAD技術を駆使して設計し、英国コベントリーにあるジャガー・クラシックで手作業で製造される。製作過程では、1台あたり3,000時間以上掛かる綿密な工程があり、なかでも伝説の直列6気筒XKエンジンのチューニングとバランスを完璧にするためには、エンジン調整だけで9か月を要する。
今回展示される「C-TYPE CONTINUATION」は、1953年のル・マン24時間耐久レースで優勝した車両と同じ仕様で、革新的なダンロップディスクブレーキのセットアップも施した。
一方の「D-TYPE CONTINUATION」は、1955年仕様のショートノーズと1956年仕様のロングノーズの2種類から選択可能なモデル。どちらのモデルもオリジナルに忠実にしながら耐久性向上のためにボディパネルを厚くし、FIA公認の4点式シートベルト、自動消火システム、スロッシング(振動)を軽減する最新の燃料バッグを装備した。
この車両は、1956年に最後の1台が製造されてから62年の時を経た2018年にプロトタイプをパリで開催された「サロン・レトロモビル」で初披露された。
先の1955年東寺に「D-TYPE」を100台製作する計画があったが、完成したのは75台のみ。当時の設計を忠実に再現し、残りの25台が製造された。もちろんオリジナルのエンジニアリングドローイングと最先端のCAD技術で設計し、製造は英国コベントリーのジャガー・クラシックで手作業で完成に至る。
1955 年仕様のショートノーズ、または 1956 年仕様のロングノーズから選ぶことが可能で、1955年から1957年まで3年連続でル・マン24時間耐久レースを制覇した、ジャガーの歴史上、最も象徴的で美しいレーシングマシンのひとつといわれている。エクステリアは16色のヘリテージカラー、インテリアカラーは9種類が用意される。
気になる車両本体価格は、「C-TYPE CONTINUATION」が1,500,000ポンド、「D-TYPE CONTINUATION」は1,750,000ポンドとなる。
C-TYPE CONTINUATION主要諸元
・エンジン:3.4リッター直列6気筒トリプルウェバーキャブレター
・ギアボックス: 4速マニュアルトランスミッション(当時の仕様と同様のPlessey Dynamics社製の油圧ポンプ付き)
・シャシー:マルチチューブラーフレーム(鋼製)
・サスペンション:
【フロント】独立懸架式サスペンション(ウィッシュボーン式およびトーションバースプリング)
【リア】パンハードロッド
・ブレーキ:ディスクブレーキ(ダンロップ製)
・ホイールおよびタイヤ: 16インチ、60本スポーク、6.50×16タイヤ
・内径(mm):83
・行程(mm):106
・排気量(cc):3,442
・圧縮比: 8:1
・最高出力(bhp/rpm):218.5 / 5,250
・最大トルク(Nm):298
・最高速度(mph):148.8
・0-60mph加速(秒):6.6
・ホイールベース(mm):2,440
・フロントトレッド(mm):1,295
・リアトレッド(mm):1,270
・全長×全幅×全高(mm):3,990×1,640×980(スクリーンを除く)
D-TYPE CONTINUATION主要諸元
・エンジン:3.4リッター直列6気筒トリプルウェバーキャブレター
【ショートノーズ】DOHC
【ロングノーズ】DOHCワイドアングルシリンダーヘッド
・ギアボックス:ジャガー社製4速マニュアルクロスレシオトランスミッション
・シャシー: レナルズ531チューブラーフレーム
・ボディ:
【ショートノーズ】アルミ製(リベット付き)、運転席側のドア、ショートノーズ仕様のボンネット、
シングルハンプリアクラムシェル、スペアホイールコンパートメント、助手席側のトノ-カバー
【ロングノーズ】アルミ製(リベット付き)、運転席側と助手席側のドア、ロングノーズ仕様のボンネット、
トールフィンリアクラムシェル、スペアホイールコンパートメント
・内径(mm):83
・行程(mm):106
・排気量(cc):3,442
・圧縮比:9:1
・最高出力(bhp/rpm):
【ショートノーズ】295 / 6,000
【ロングノーズ】320 / 6,000
・最大トルク(Nm):352
一般公開 実施概要
「JAGUAR CLASSIC MUSEUM DISPLAY at FUJI MOTORSPORTS MUSEUM」
開催日:2023年6月5日(月)~6月14日(水)
会 場:富士スピードウェイ 富士モータースポーツミュージアム内
〒410-1308 静岡県駿東郡小山町大御神645
URL :https://fuji-motorsports-museum.jp/
「Ralph’s Coffee & Cars supported by Octane」
開催日時:2023年6月18日(日)7:00 – 10:00
会 場:東京プリンスホテル 駐車場
〒105-8560 東京都港区芝公園3-3-1