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2023年1月5日【イベント】

パナソニック、CES2023の出展内容

NEXT MOBILITY編集部

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パナソニックグループ(以下、パナソニック)は1月5日、米国ネバダ州ラスベガスで現地時間の5日から8日まで開催される「CES 2023」の出展内容を発表した。

パナソニック・ロゴ

パナソニックは今回、「Panasonic GREEN IMPACT City(パナソニック・グリーン・インパクト・シティ)」を展示コンセプトに、会場ブースとオンラインの両方で、環境問題解決に貢献する取り組みや技術により、家や街、モビリティなどの分野で人々のくらしがどう変わっていくのかを、4つのエリア(Park/Town/Mobility/Home)で紹介。会場ブースの設営には、最小限の建築物や床材を使い、リサイクル素材を多く使用することで、カーボンフットプリントを大幅に削減した他、各エリアの展示商品の背景には、サステナブルな建材の竹を使用したバックボードを活用するなど、環境負荷に配慮したと云う。

 

オンラインでは、仮想空間での体験を通じて、楽しみながら同社の取組みや商品・技術への理解が深められる「Panasonic GREEN IMPACT Experience<https://na.panasonic.com/explore>」を開設し、プレスカンファレンス(米国現地時間:PST太平洋時間1月4日10時~10時45分)の様子も中継する。

 

長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」(以下、PGI)を掲げ、2030年までに自社の事業に伴うCO2排出量を実質ゼロに、また2050年に向けては、現時点の全世界の排出総量約330億トン(※1)の「約1%」にあたる3億トン(※2)以上の削減貢献インパクトの創出を目指すパナソニックは、今後、グループのPGI活動を通じて、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。

 

※1:2019年エネルギー起源CO2排出量336億トン(出典:IEA)。
※2:CO2排出係数は2020年基準。

[出展概要]

 

– 期間:2023年1月5日(木)~8日(日)
– 場所:Las Vegas Convention Center(LVCC) Central Hall ブース#16317
– 出展規模:1,449㎡

 

<主な展示内容> (*=オンライン展示のみ)

 

(1)PGI関連

 

【Park(パーク)】

 

再生可能エネルギーを生み出す「ペロブスカイト太陽電池」で構成されたコンセプトツリーが出迎えるメインエントランスで人々が集う空間を彩る。

 

・PGI概要:PGIの達成目標と2024年度までの3カ年の具体的な環境行動計画「GREEN IMPACT PLAN 2024」を紹介。

 

・ペロブスカイト太陽電池:高効率かつサイズフリーな特性を活かし、これまでシリコン太陽電池が設置できなかった場所への搭載を目指す。特に、設置面積などの制約等もある中で、透過度をコントロールしながら様々なサイズの壁や窓への設置を可能とし、昨今求められる創エネ・ZEB化を加速。

 

・グリーン水素製造デバイス・水電解装置スケルトンモデル:再生可能エネルギーを用いた水電解による、CO2フリーのグリーン水素製造コスト低減に貢献できるデバイスを開発中。貴金属フリー高活性触媒材料が特長で、グリーン水素の普及を加速。

 

【Town(タウン)】

 

水素を活用した工場の再生可能エネルギー100%化に向けた世界初実証や店舗におけるCO2削減といったCO2ゼロの街の実現への取り組みを紹介。

 

・RE100化ソリューション:事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う取り組み。昨年4月、自社の草津工場(滋賀県)で工場の再生可能エネルギー100%化に向け世界初(※)の実証を開始。純水素型燃料電池・太陽電池・蓄電池を組み合わせたクリーンで安定した電力を供給し、効率的かつ最適に発電するエネルギーマネジメントを実証中。

 

※工場の稼働電力を賄う自家発電燃料として本格的に水素を活用した実証に於いて(2022年3月31日現在、パナソニック調べ)。

 

・純水素型燃料電池:安定した発電性能と業界最高(※)の発電効率56%を実現した燃料電池。出力は5kWで、連結して出力アップも可能。今後の本格活用を通じ、脱炭素社会の実現に貢献する。

 

※純水素型燃料電池での発電効率に於いて(2021年10月1日現在、パナソニック調べ)。

 

* HUSSMANN solutions:食料品の冷凍冷蔵ニーズが増えると共に温室効果ガスの増加が想定されることから、パナソニックでは環境に優しい冷媒を利用し、世界の環境負荷の低減に向けた製品開発・ソリューションを提供。

 

【Mobility(モビリティ)】

 

電動モビリティの普及に向けて、電化を推進するキーデバイスや技術・ソリューション、さらにモビリティのドライバーと乗客の安全性・快適性を実現するソリューションを紹介。

 

■電化のキーデバイス・技術

 

・EV用円筒形リチウムイオン電池:世界最高レベルのエネルギー密度や、高い安全性・信頼性で業界をリードする車載(EV)用円筒形リチウムイオン電池。現在のラインアップ(1865、2170)と、次世代大容量の規格として期待されている4680(開発中)で、EVの進化・普及に貢献。

 

・電動アシスト自転車(XEALT M5):スポーツタイプの電動アシスト自転車(eバイク)を開発。小型ながら高容量のリチウムイオンバッテリーをフレームと一体化し、ダイナミックで力強いスタイリングと長い航続距離を実現。

 

■電化を加速するソリューション

 

* One Connect:ドライバーの安全や貨物のセキュリティ、車両のメンテナンス、コストとエネルギーの削減に向け、パナソニックの車両の監視・管理プラットフォームを活用したソリューションを提供。

 

* Cirrus V2X:リアルタイムに道路の状況を検出し、ドライバーに安全上重要な運転情報を届ける、コネクテッド車両のデータ管理プラットフォーム。

 

* EV Charging Solutions(EV充電/放電ソリューション):PVと充電器を組み合わせたスマート充電技術。多くの充電器が必要になることや配電網の過負荷や既存電力システムへの影響など、EV普及の障壁となりうる多くの社会課題の解決に貢献。

 

* PAC Cabin(Astrova):航空会社の乗客のエンゲージメントを高める新しい機内エンターテイメント(IFE:in-flight entertainment)シートエンドシステム(パナソニックアビオニクス社製)。モジュール設計により、大掛かりな内装変更なく低コストでアップグレードできる。

 

■乗員の安全・快適性を実現するソリューション(シボレー・ボルトEV車内)

 

・車載用ナノイーX:独自の特許技術「ナノイーX」で、車室内に清潔な空気を提供。

 

・車載用サウンドシステム:電気自動車(EV)ユーザーに高品質なオーディオ体験を提供するための新たなオーディオシステム。軽量化と消費電力削減も実現し、より環境に優しいシステムへと進化。

 

【Home(ホーム)】

 

・Panasonic GREEN IMPACT House:住む人の心と体を健やかに保ち、人・社会・地球に対して「ウェルビーイング(Wellbeing:幸福や健康といった意味)」をもたらす未来の家での「くらし」を紹介。

 

■ウェルビーイングなくらしを提供する家電ソリューション

 

・3つのウェルビーイングの観点で日常生活を包括的にケアする技術とサービス。

 

①インナー・ウェルビーイング(Inner Wellbeing):アプリによる機器とセンサーの連携により手軽にヘルシー調理を可能とする他、食材の宅配提供やレシピ提案、生ごみ処理機を活用した食循環によるフードロス削減への貢献など、「人と地球にとってちょうどいい食卓」を実現。

 

②アウター・ウェルビーイング(Outer Wellbeing):心身データの分析により、従来のセルフケアに加え、エイジングケアやリラクゼーションも支援する、統合ケアAppを提案。

 

③スペイシャル・ウェルビーイング(Spatial Wellbeing):センサーとアルゴリズムに基づくソリューションを提案。独自のクリーンテクノロジー:ナノイーXの活用により、安全で快適な空間を創造。

 

■家のエネルギーを有効に活用するソリューション

 

・A2W(Air to Water:ヒートポンプ式温水給湯暖房機):化石燃料を用いた暖房機器に比べCO2排出量を抑え、環境への負荷が少ないヒートポンプ式温水給湯暖房機。大気中の熱を集めて温水をつくり出し、住宅に循環させることで暖房する。2023年5月、日系メーカーとして初めて欧州で環境に配慮した自然冷媒採用の住宅向け新製品3機種(暖房能力別)を発売。

 

* WhisperAir Repair – Air Purification(空気清浄機):独自の特許技術「ナノイーX」を搭載した空気清浄器。室内の空気の質を向上し、より清潔な空気を提供。

 

* Swidget Smart Controls:Swidgetスマートコントロールの独占販売代理店として提供している健康的な住宅環境を実現するためのスマートHVACシステム。Swidgetデバイスは、静音性の高い換気扇や高度なエネルギー回収換気装置(ERV)などを含むパナソニックの換気ソリューションと連携し、スマートホーム換気エコシステムを構築する。

 

* EverVolt 2.0 ESS(蓄電池):家のエネルギーニーズに合わせた拡張機能を提供するエネルギー貯蔵ソリューション。

 

 

(2)北米市場等にグローバル展開する新製品・サービスの展示内容

 

【Consumer Electronics(コンシューマー・エレクトロニクス)】

 

・LUMIX(Sシリーズ)[初出展]:像面位相差オートフォーカス(PDAF)を採用し、新開発24.2Mのフルサイズセンサーと新世代エンジンを搭載したSシリーズの最新機種LUMIX S5II/S5IIX。高い描写性能と高精度なAF追従性能の実現に加え、進化した手ブレ補正で臨場感ある自然で滑らかな映像表現が可能。また高解像度で多彩な記録フォーマットと動画撮影機能により、写真と動画の垣根を超え、プロフェッショナルユーザーとクリエイターの撮影をサポート。

 

・テクニクスターンテーブル:1972年に誕生したテクニクスブランドのターンテーブルSL-1200シリーズの50周年記念モデル。SL-1200/1210MK7の基本性能をそのままに、ストリートカルチャーをイメージした7色展開の限定デザイン。

 

・テクニクスヘッドホン:新開発の高音質40 mmドライバーを採用、テクニクスの音質と性能を磨き上げたDJモニタリングヘッドホン。

 

・OLED TV[初出展]:パナソニック独自のカスタムモジュールで高コントラストを実現した次世代OLEDパネル搭載のフラッグシップモデル。ハリウッドのカラーリストのチューニングによる高い色再現や、ゲームプレイとの親和性をより高める機能を搭載。

 

・MULTISHAPE:充電式バッテリーグリップをベースに、アタッチメントヘッドを交換することで、髭剃り、髪やひげのカット、ムダ毛の処理、歯ブラシなどの機能を自由に組み合わせて使用できる新しいパーソナルケアコンセプト。部材や充電池などの重複を減らし、省資源、省スペースに貢献する商品。

 

・SoundSlayer:迫力のあるゲームサウンドを実現する4つのスピーカーを搭載し、耳を塞がず肩に乗せる形状のゲーミングネックスピーカー。

 

【Shiftall(シフトール:メタバース関連商品)】

 

・HaritoraX 1.1(メタバース用ボディトラッキング装置):メタバースに全身でダイブするためのフルトラ・デバイス。足首検知センサー搭載し、足首の動きまで捉えることができる。10時間以上駆動し、バッテリーを接続して充電しながらの長時間利用も可能。

 

・HaritoraX ワイヤレス(メタバース用ボディトラッキング装置):小型・軽量で取り付けや取り外しも簡単、長時間利用にも応える(20時間駆動)完全ワイヤレスのフルトラ・デバイス。腰や肘を加えた11点トラッキングにも対応。

 

・MeganeX(VRヘッドセット):軽量・高解像度が特徴のSteamVR対応VRヘッドセット。5.2K/10bit HDRのマイクロOLEDディスプレイを搭載し、世界最高水準の映像体験を実現します。6DoFのOutside-In方式のトラッキングに対応し、高精度なトラッキングを実現。

 

・FlipVR Controller(VR用コントローラー):手の位置のトラッキングを失うことなく、現実世界の物を掴んだり、キーボードやマウスを操作したり、楽器を演奏したりすることが可能なValve Lighthouse方式に対応したSteamVR対応VRコントローラー。

 

・mutalk(防音Bluetoothマイク):自分の声を周りに聞こえにくく、同時に周囲の騒音をマイクに入りづらくする防音Bluetoothマイク。脱着可能バンドでハンズフリー使用が可能。

 

【Yohana(ヨハナ)】

 

・Yohanaメンバーシップサービス:パナソニックホールディングスの子会社Yohanaのスペシャリスト・リサーチャー・ガイドの専門チームによる次世代ファミリーコンシェルジュサービス。家族が抱えるTo-doとくらしの課題解決を継続的に支援し、理想のくらしの実現を促す。現在アメリカ全土と神奈川県で利用が可能。

 

【参考出展】

 

・B2B向けVRソリューションの提案:Steam VR/OpenXRに対応した眼鏡型ハードウェアで、自動車業界で活用されているAutodesk社のVRED、またEPIC Games社Unreal EngineやTwinmotionなどの業務用VRアプリの活用を可能とし、メタバース用途に加え幅広く産業用途での展開を提案。応用展開の一つとして、弱視者支援スマートグラスを欧州で販売するスペインのBiel Glasses社と共同で実証を進めている弱視支援グラスのプロトタイプを参考出展。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。