日立ビルシステムと日立産機システム、日産自動車の3社は10月12日、軽電気自動車サクラからの給電で、マンション・ビル向けの自動給水ユニットを稼働させる実証実験を実施したことを明らかにした。
同実証実験は、電気自動車からの給電で停電時のビル設備利用を可能にするV2Xシステムの普及を目指す日産と、日立ビルシステムとの協創第3弾にあたる取り組み。
具体的には、停電時にマンションで水道が使えなくなる不便を解消するために、マンション・ビル向け自動給水ユニットを製造する日立産機システムの協力の下、軽の電気自動車「日産サクラ」のバッテリーを使用して自動給水ユニットを動作させる実証実験を行ったもの。
実施概要図(イメージ/今回の実証では自動給水ユニットにのみ給電)
今回は、フル充電した日産サクラのバッテリーから、外部給電が可能なバッテリー残量10%までを利用。日立産機システム製の自動給水ユニット「ダイレクト・ウォータエース」を稼働させて21,171リットルの給水を実証した。この水量は8,468人分の1日の水分摂取量、またはトイレ4,234回分の水量に相当するという。
実証を踏まえ、日立ビルシステムと日立産機システムは、V2Xシステム対応の自動給水ユニットの詳細仕様の検討を進めていく構え。また日立ビルシステムと日産は、V2Xシステムの普及に向けた取り組みを更に推し進めていくとしている。
実証実験の概要は以下の通り
実験目的:電気自動車の電力を利用した自動給水ユニットの実稼働データ計測
実験環境:自動給水ユニットの稼働電力を電気自動車からの給電に切り替え、
電気自動車のバッテリーが放電限界を迎えるまで給水を実施*7
使用車両:軽電気自動車「日産サクラ」(バッテリー容量20kWh)
使用ポンプ:日立産機システム製の自動給水ユニット「ダイレクト・ウォータエース」
測定項目:自動給水ユニットの連続運転時間および送水量、電気自動車のバッテリー残量
実証実験結果は以下の通り
連続稼働時間:1時間31分
送水量:21,171リットル
(8,468人分の1日の水分摂取量またはトイレ4,234回分の水量)
バッテリー残量:100%⇒10%