日産自動車は12月18日、冒険家のクリスとジュリーのラムジー夫妻が運転する「日産アリア」が、北極から南極まで(Pole to Pole)をEVで走破する世界初のチャレンジに成功。ゴールの南極点に到達したと発表した。
この挑戦は、およそ10か月前に北磁極から開始。その後、北アメリカ・中央アメリカ・南アメリカを経た30,000km以上走行して地球上で最も人里離れた南極大陸の南極点に到達した。このような遠征を完走したのはEVという枠組みを超えて、自動車としても初めての記録となった。
完走した「アリア e-4ORCE」は、標準仕様のパワートレインとバッテリーを搭載しており、これに極地移動のスペシャリストと謳われるアークティック・トラック社の手でBFグッドリッチ製の39インチタイヤを装着している。
今回、アリア e-4ORCEのステアリングを握ったラムゼイ夫妻は、2017年に1万キロを走破するモンゴル・ラリーに「日産リーフ」で参戦してEVとしての初完走を果たした。
その後、北極から南極までをEVで走行するPole to Poleプロジェクトの構想を温め始め、志を同じくするパートナーからの協力を得て、今遠征を実現させた。
今回の挑戦についてクリス・ラムゼイ氏は、「今、自分が南極点にいることが信じられません。この遠征は何年もかけて計画してきたのですが、成功した実感がまだありません。
想像以上に厳しかったことは確かですが、EVの素晴らしい性能には常に全幅の信頼を寄せてきましたし、私たちの日産アリアなら、どんな厳しい状況にも立ち向かっていけると信じていました。
このPole to Poleのチャレンジが世界中の人に届き、日常生活でEVを使うための後押しができたなら、本当に嬉しく思います」と述べた。
一方でジュリー・ラムゼイ氏は、「素晴らしい旅になりました。新しく出会った友人にも、私たちが受けたサポートにも感謝しています。
Pole to Poleの遠征は当初、クリスと私の二人だけでスタートしましたが、今では何千人もの親切で前向きな人々に支えられる探索チームとなりました。
これらのサポーターは、一人ひとりが世の中に変化を起こして、EVのワクワクを分け合いたいと考えているのです」と話している。
最後に日産の常務執行役員でグローバルマーケティング、ブランド、マーチャンダイジングを担当するアリソン・ウィザースプーン氏は、「日産を代表して、Pole to Poleの完走にお祝いを申し上げます。
チームのチャレンジ精神とEVの限界に挑む情熱的な姿に感服しています。この遠征は、日産にとっても記念すべきマイルストーンとなりました。
日産の革新的な技術は、職場への通勤であっても、南極への旅であっても、お客さまに大きなワクワクをお届けするということを示してくれたのです」と結んでいる。