ファストバックとクロスオーバーを融合、女性や若者をターゲットに
ステランティスジャパンは6月20日、新型「プジョー 408」を7月1日から発売すると発表した。ファストバックとクロスオーバーを融合した新ジャンルのモデルと位置づけ、女性や若者などをターゲットに、新たなユーザー層の取り込みを狙う。
東京都内で開いた新型408発表会でステランティスジャパンの打越晋社長は新モデルについて多様性や電動化の推進を強調した。
プジョーブランドの4から始まる3桁番号のモデルは従来セダンタイプが主力だったが、今回の新型車はセダンタイプの全高にとどめながらSUVの要素を取り入れて、斬新なデザイン、良好な視認性、広いい室内空間を実現した。
電動化では、ガソリン車に加えて、PHEV(プラグインハイブリッド車)モデルを設定。打越社長は今回の408の投入で「プジョーブランドの電動化は6車種」に拡大し、日本で展開するステランティス7ブランドのうち最も電動化が進んでいるのがプジョーだと強調した。
これらにより、これまでプジョーブランドにあまり関りを示さなかった女性や若者層にも408は受け入れられるモデルに仕上がったと位置付ける。
その新型408のPHEVモデルを実際に横浜で試乗したが、その印象はセダン並みの車高ながらSUVを操っている感覚と交錯する。
また、長く伸びた外観のシルエットはこれまでにない流麗なデザインを醸し出し、ゆったりとくつろげる車室内の広さが何よりも深く印象に残った。取り回しも容易で、立ち上がり、加速もスムーズだ。
車両サイズは全長4700ミリメートル、全幅1850ミリメートル、全高1500ミリメートルの大きさ。ホイールベースは2790ミリメートル。
カテゴリーでいえば、Dセグメントの入り口に当たり、隣接モデルの308ハッチバックと比較して約180ミリメートル車室内の広さを実現したという。
ラゲッジルームは5人乗車時で最大536リトル、後席を倒すと最大1611リットルの荷室容量を持つ。
PHEVで電動化を加速、日本のナンバーワン・インポーターを目指す
パワートレインは、ガソリン車が1・2リットル直列3気筒エンジンを搭載し、8段AT(オートマチックトランスミッション)と相まって軽快な走りを実現。
PHEVモデルは1・6リットル直列4気筒エンジンを搭載し、WLTCモードで66キロメートルのEV(電気自動車)走行レンジを持ち、日常生活における多くのシーンをEV走行でカバーできるという。
また、6キロワット・チャージャーを使用すれば、約2時間30分で満充電となる。
安全性装備についても大半の最新の運転支援機能を標準で装備。前の車両との距離や速度を検知しつつ、ドライバーのアクセルとブレーキ操作をサポートするアクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)を備えるほか、任意の位置で車線内のポジションを維持するレーンポジショニングアシストなどを搭載している。
新型408はEVコンセプトのデザインも参考にされており、次世代をにらんだモデルの一つともいえるだろう。新型408のキーワードは「解き放たれた新種」。
新型車発表会に登壇したステランティス・インドアジア太平洋地域のビリー・ヘイズ販売事業執行副社長は日本を重要な市場と位置付けるとともに、最量販ブランドの一つであるプジョーの新型車投入を機に、日本で「ナンバーワン・インポーターを目指す」と訴えかけた。
日本での新型モデルの発売を記念して特別なシートやフォーカル製オーディオなどを装備した80台限定の特別仕様車「ファースト エディション」(PHEVモデル)も発売する。
車両価格(税込)はガソリン車のAllure(受注生産)が429万円、同GTが499万円。PHEVのGTハイブリッドが629万円、ファースト エディションが669万円。