三菱自動車は5月8日(米国発)、米ペンシルベニア州フィラデルフィア一般訴訟裁判所での製造物責任訴訟に於いて、子会社である「Mitsubishi Motors North America(以下、MMNA)」が、原告に対して現地時間の6日付で〝10億1000万ドル〟の損害賠償金の支払いを命じる判決が下されたことを発表した。MMNAでは、この判決を不服として、控訴を予定している。
[訴訟の概要]
1.裁判所および判決日
– 裁判所:米国ペンシルベニア州 フィラデルフィア一般訴訟裁判所
– 判決日:2024年5月6日(米国現地時間)
2.被告(MMNA)の概要
– 名称 : Mitsubishi Motors North America, Inc.
– 所在地 : 米国テネシー州ウィリアムソン郡フランクリン
– 事業内容 : 自動車の販売
– 資本金 : 398.812百万ドル
– 代表者の氏名 : Mark Chaffin(President and CEO)
3.原告の概要
– 氏名:Soomi Amagasu氏(原告個人およびFrancis Amagasu氏の配偶者および代理人としての地位に基づく)
– 所在地 : 米国ペンシルベニア州バックス郡
4.訴訟の原因および訴訟提起に至った経緯
訴訟は、原告の夫であるFrancis Amagasu氏が、1992年製の「Mitsubishi 3000GT」を運転中に、2車線道路で前方の車を追い越す際に発生した事故(2017年)を巡るもの。
原告側は、ドライバーのFrancis Amagasu氏が事故で重症を負った責任は、同車の拘束システムの欠陥に起因するとして、三菱自動車とMMNAを相手取り、「5万ドル以上」の損害賠償を求める訴訟を、2018年11月にフィラデルフィア一般訴訟裁判所で提起。その後、2021年1月には三菱自動車に対する訴えは却下され、被告はMMNAのみとなった。
MMNAは、裁判で、車両には欠陥はなかったことを訴えていたが、今回、陪審員による評決を経て、2024年5月6日に判決が言い渡された。
5.判決内容
MMNAは、原告に対し、976百万米ドルの損害賠償及び33百万米ドルの遅延金利を支払え。
6.今後の見通し
三菱自動車およびMMNAは、この判決には承服しかねるとして、控訴を予定。現在、自社の評価基準に基づいて同訴訟に関する財務上の影響を見積もっているが、最終結果や財務影響は、現時点に於いては、予想困難であることから、今後開示すべき事項が発生した場合には速やかに告知するとしている。