三菱自動車工業は5月29日、子会社の「Mitsubishi Motors North America(以下、MMNA)」が、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア一般訴訟裁判所での製造物責任訴訟に於いて、10億1000万ドルの損害賠償の支払いを命じる判決が下されたこと(※)に対して、これを不服として、米国現地時間の5月28日、同州の上級裁判所に控訴したと発表した。
事の経緯
訴訟は、原告の夫であるFrancis Amagasu氏が、1992年製の「Mitsubishi 3000GT」を運転中に、2車線道路で前方の車を追い越す際に発生した事故(2017年)を巡るもの。
原告側は、ドライバーのFrancis Amagasu氏が事故で重症を負った責任は、同車の拘束システムの欠陥に起因するとして、三菱自動車とMMNAを相手取り、「5万ドル以上」の損害賠償を求める訴訟を、2018年11月にフィラデルフィア一般訴訟裁判所で提起。その後、2021年1月には三菱自動車に対する訴えは却下され、被告はMMNAのみとなった。
MMNAは、裁判で、車両には欠陥はなかったことを訴えていたが、今回、陪審員による評決を経て、5月6日に「MMNAは、原告に対し、9億7600万米ドルの損害賠償および3300万米ドルの遅延金利を支払え」との判決が言い渡された。
この一審の判決を不服として、同社は米国現地時間の5月28日、米国ペンシルベニア州上級裁判所に控訴した。
※(三菱自動車)子会社に対する訴訟の判決(第一審)に関するお知らせ (2024年5月9日ニュースリリース)。