国土交通省は9月10日、日本貨物鉄道 (JR貨物)から報告のあった輪軸組立の不正行為に対しての同省の対応を、以下の通り発表した。
事の経緯
国土交通省は9月10日、山陽線・新山口駅構内で7月24日に発生した貨物列車の脱線事故に関して、日本貨物鉄道(JR貨物)から、脱線した車両の輪軸組立時に不正行為があったと報告を受けた。
これを受け、同省はJR貨物に対して全車両の輪軸を緊急点検する指示を出すと共に、11日から特別保安監査を行い、同社の安全管理体制等を確認することを決定。また、同社を指導し、輸送の安全確保と再発防止を徹底するよう厳正に対処することとした。
1.JR貨物からの報告概要
・車両の車軸組立時には、車輪や歯車等を車軸にはめるための圧力を管理・記録することとなっているが、当該輪軸組立時の大歯車圧入力値が基準値を超過し、また、当該歯車圧入力値に係る記録簿の差し替えが行われていた。
・社内調査を行ったところ、複数の車両で基準値超過や改竄が確認されたことから、それらの車両については、安全確認がとられるまで使用を停止することとした。
2.国交省の対応
・同社の報告を踏まえて、JR貨物緊に対し、以下の急点検の指示を行った(9日)。
①全車両の輪軸について、歯車等を圧入した際の圧入力値を至急確認すること。
②基準値を超えている、記録簿の差し替えが行われている等の不適切な事案について、報告すること。
③上記により報告対象となる輪軸を備えた車両について、安全に運転することができる状態であることが確認されるまで、使用を停止すること。
④講じた措置等について報告すること。
・JR貨物に対し、11日から特別保安監査を実施し、安全管理体制等について確認を行う。
・今後の監査結果や報告等を踏まえて、厳正に対処する。
[問い合わせ先]
国土交通省鉄道局技術企画課 中野、小口
電話:(03)5253-8111(内線40701、40713)/直通 03-5253-8524