国土交通省の祓川(はらいかわ)直也自動車局長は9月29日、トヨタ自動車の豊田章男社長宛てに、系列販売会社の不正車検問題で異例の改善要請を出した。
同日、関東運輸局が系列販売会社であるトヨタモビリティ東京株式会社レクサス高輪に対して、指定自動車整備事業の指定取り消し処分を行なったことを受け、再発防止策の徹底と対象車両への早急な再検査の実施を求めた。加えて当分の間、改善状況を四半期ごとに報告するよう要請した。
トヨタ自動車は同日、全国の系列販売店に対して実施した総点検の結果、12店舗で法令違反があったことを国交省に報告した。
祓川局長は、「車の使い方は1台1台違うので、それをすべて短時間で整備するのは無理がある」と見解を記者会見で述べ、「国に代わって車検を代行しているという認識が薄い。忘れてしまっている」と遺憾の弁を明らかにした。
関東運輸局は6月17日にレクサス高輪に対する監査を実施、今回、監査結果に基づき指定自動車整備事業の指定取り消し処分を行なった。不正は、検査数値の改ざんや未実施などで、8月以降、地方運輸局(支局)がトヨタ系列販売会社に対して順次監査を実施している。
一方、トヨタも系列の全4800店舗に対する車検整備の総点検を行ない、その結果を9月29日公表した。レクサス高輪を含めて全国12店舗で違反があったと報告した。
祓川局長は「12事例もあり、多い」と指摘、レクサス高輪以外の11店舗についても違反の事実が確定次第、速やかに処分を行なうことを示した。(間宮潔)