新開発8速オートマチックトランスミッション
マツダは12月26日、自社のラージ車両に搭載している8速オートマチックトランスミッション(AT)が第58回機械振興賞( 主催:一般財団法人機械振興協会 )の「機械振興協会会長賞」を受賞したと発表した。
「機械振興賞」は、機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる研究開発に加え、その実用化を讃えて授与されるもの( 表彰式典は東京プリンスホテルで2024年2月16日に実施予定 )。
マツダでは、「受賞対象となった新開発8速ATは、走る歓びと優れた環境・安全性能を大幅に進化させたラージ商品群に採用されている技術であり、現在CX-60およびCX-90に搭載、商品化されています。
その機構はトルクコンバーターの無いクラッチ発進機構を採用することにより、エンジン応答の良さをマニュアルトランスミッションのようにダイレクトに伝え、かつ遅れを感じさせない変速応答や変速間隔の造りこみにより、人の感覚に一致した、リズム感のある軽快な走りを目指しました」と開発に係る取り組みについて語っている。
新開発8速オートマチックトランスミッションと長尺アルミクラッチドラム
そんな8速ATで、今回の受賞対象となったのは「長尺アルミクラッチドラムの塑性(そせい)加工化技術( 金属材料に力を加えることで、変形させて形状を作り上げる加工技術 )」にある。それは動力の伝達や遮断を担うクラッチドラムを、従来の鉄やアルミ鋳造品より軽量なアルミ塑性加工品としたこと。
更にこれを既存の塑性加工(生産)ラインを活用して製造する技術を開発したこと。加えてコスト上昇を抑えながらユニットを軽量化することで、CO2排出量の低減も果たし、結果、自然なドライビングポジションの実現に寄与していることなどが評価された。
受賞対象:「長尺アルミクラッチドラムの塑性加工化技術の開発」
開発担当者:
椎野 和幸(しいの・かずゆき)氏、野畑 俊也(のばた・としや)氏、河野 弘和(こうの・ひろかず)氏、新家 泰平(しんけ・たいへい)氏、長野 隼門(ながの・はやと)氏