マツダは、新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」の火花点火制御圧縮着火燃焼の開発で、燃焼応用技術の研究・開発に顕著な功績を残した個人またはグループに贈呈される、日本燃焼学会の2020(令和2)年度「技術賞」を受賞した。
高効率を実現する圧縮着火燃焼を用いた自動車用ガソリンエンジンは、これまでも盛んに研究が行われてきたが、高圧縮比化技術の必要性や燃焼タイミング制御の難しさから実用化が困難だった。
マツダは、ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」で培った高圧縮比化技術と、スパークプラグを燃やすためではなく、燃焼室内の圧力変化に活用するという新たな発想による燃焼制御を開発し、圧縮着火ガソリンエンジンの実用化に初めて成功。
今回の受賞では、乗用車用量産ガソリンエンジンとして世界で初めて(*1)高圧縮比化と希薄/希釈燃焼による火花点火制御圧縮着火燃焼(SPCCI/*2)方式のエンジンを開発し、エンジンの熱効率改善によるCO2排出低減への貢献が高く評価された。
「SKYACTIV-X」は、「MAZDA3」「MAZDA CX-30」に搭載されている。
*1:マツダ調べ。
*2:SPCCI はSpark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火の略。
[受賞概要]
– 受賞対象:火花点火制御圧縮着火を採用した新型エンジンSKYACTIV-Xの開発
– 受賞者:
漆原 友則(マツダ)/西田 正美(マツダ)/河野 通治(マツダ)/井上 淳(マツダ)/志々目 宏二(マツダ)/末岡 賢也(マツダ)/松本 浩太(マツダ)/丸山 慶士(マツダ)
■日本燃焼学会:http://www.combustionsociety.jp/