マツダは9月27日、〝データの因果関係をグラフ構造で表現・分析する手法であるベイジアンネットワーク(BN/*1)を活用した研究〟についての論文が、日本応用数理学会 による「論文賞」(実用部門)を受賞したことを発表した。なお、マツダが同賞を受賞するのは初となる。
日本応用数理学会は、応用数理的な研究、産業、教育等に関わる活動を支援する、国内における数理研究の代表的学会。日本応用数理学会では、毎年度、同会の論文誌(*2)に掲載された論文の中から、特に優秀なものに「論文賞」を授与している。
今回、論文賞(実用部門)を受賞した研究では、独自のAI技術に基づく同分析の活用事例として、自動車の車体周りの空気の流れを分析。シミュレーションに頼らず、実車両の計測データを基に同技術を使いながら、流れの構造に関わる因果関係を解析し、改善効果などの表現を可能に。また、マツダのひと中心の開発思想に基づき、脳活動を研究対象とした事例では、MRI検査機器の測定能力を超えた、短い時間内に起こる脳の反応を検出して視覚化。BNを活用した数学的手法の有用性が示されたことから、今後、様々な産業分野での応用が期待できると云う。
*1:2つの事象について直接の依存関係を表すベイズの定理を、複数の事象ネットワークへと拡張したモデリング手法。様々な事象間の因果関係をグラフ構造で表現する。
*2:日本応用数理学会論文誌(和文論文誌)、Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics (JJIAM)、JSIAM Letters(ITE Transactions on Media Technology and Applications)。
<受賞概要>
– 賞典:日本応用数理学会 論文賞(実用部門)
– 受賞対象:時系列データを解析するためのベイジアンネットワークの活用法に関する研究
– 受賞者:目良 貢、中村 優佑、吉田 敏宏、清水 圭吾、菅原 翔、福永 雅喜、定藤 規弘、農沢 隆秀
– 受賞理由:日本応用数理学会のホームページ を参照。
マツダは、今後も「ひと中心」の思想の下、人を研究し続け、人々の日常や移動することの感動体験を創造し、誰もが活き活きと暮らす「愉しさ」と「生きる歓び」を届けていくことを目指していくとしている。