ヤマハ発動機は、来たる5月20-21日(土・日)に決勝が行われる2023 Hertz FIMトライアル世界選手権・第3戦・大成ロテック日本グランプリのTrial2に、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から黒山健一選手が電動トライアルバイク「TY-E 2.1」を使用して出場することを5月17日付けで決定した。
同社は2023年、内燃機関を上回る性能と楽しさを持った電動バイクの市販化につながる技術の獲得を目指し、「TY-E」と黒山選手のコンビで、全日本トライアル選手権のIAスーパーに参戦。
現在も過酷な環境の中で開発を行っているが、今回のTrial2への参戦もその一環となる。このTrial2は、ガソリン車と電動車が混走する、世界最高峰のTrialGPに続くクラス。
2022年に「TY-E 2.1」のベースマシンである「TY-E 2.0」の発表に合わせて、第5戦フランスGPに黒山選手と初出場。その際はマシントラブルもあり、31位という結果に終わった。
今回は、その時に表面化した課題を克服するなど、アップデートした「TY-E 2.1」でTrial2への再挑戦となる。
現在参戦中の全日本選手権で「TY-E 2.1」と黒山選手はここまで2戦を戦い、開幕戦の愛知・岡崎大会では、初のウエットも経験して5位入賞。
第2戦熊本・山鹿大会では4位と自己ベストを更新するなど、両レースで表彰台に絡む好成績を残しており、日本グランプリでは前回の31位を上回る順位を目指す。
日本グランプリに出場する黒山健一選手は、「これまでコロナ禍を除き、2018年からTrialE CupやTrial2に参戦してきましたが、レースに向けて車両を開発してきたところがありました。
今回はレースを通じ、量産を見据えて開発を進めるということで、プロジェクトの内容が異なります。
そのため、プロのレーシングライダーとして最善を尽くし、一つでも上の順位を目指しながら、開発ライダーとして多くのデータを開発陣にフィードバックしていく役割があります。
ただ今回は、昨年のリベンジであり、日本で開催する世界選手権でのTY-Eデビュー戦となるので、より上位のポジションを獲得し、TY-Eの実力をファンに知ってもらいながら、楽しんでもらいたい気持ちが強いです。ぜひ、ご期待ください」と話している。