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2024年7月12日【トピックス】

ジェイテクト、令和6年度全国発明表彰で発明賞を受賞

坂上 賢治

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ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:近藤禎人)は7月12日、公益社団法人発明協会主催の令和6年度全国発明表彰に於いて発明賞を受賞した。これは研削盤の砥石軸に使用される「低動力静圧軸受」の特許技術が評価された。

 

研削盤は、回転する砥石で加工物を研削する工作機械で、優れた寸法精度と表面粗さを得ることができる。研削盤の砥石軸を支える軸受(ベアリング)は、砥石が安定して回転するために必要不可欠な部品となる。

 

今回の特許技術は、圧力をかけた潤滑油の力で砥石軸を支持する「静圧軸受」の性能向上に寄与したもの。

 

砥石軸が回転する際に軸受内で発生する潤滑油の順流と逆流を分離し、潤滑油の乱流を抑制することで、従来の静圧軸受に比べ高速回転時の動力損失(潤滑油の流れの影響で失われるエネルギー)を約20%減らすことを可能とした。これにより、消費電力と二酸化炭素(CO2)排出量の削減に貢献する。

 

静圧軸受には元来、「転がり軸受」など他の方式に比べて回転精度や振動減衰性に優れ、金属接触部が無いため長寿命という特長がある。それらの特長を損なうことなく省エネ化を実現したことも、大きなアピールポイントとなった。

 

 

そもそも近年、生産性向上の観点から研削盤の砥石回転速度が高速化し、それに伴って発生する静圧軸受の動力損失を低減する技術が求められていた。

 

そうしたなかでジェイテクトでは、流体解析などを実施する中で、動力損失発生の主な要因が「軸受内で発生する「流れの干渉」と「潤滑油の乱流」であることを解明。この解析結果を踏まえ、軸受内部の回転軸につれ回る順流を、軸受底部の逆流と分離することで流れを整流化し、更にその流れを層流にした低動力静圧軸受を開発した。

 

この技術を研削盤に搭載することで、省エネに加えて熱による部品の伸びや傾きなどの変位量を抑制し、冷却装置の小型化による機械フロアスペース削減に貢献する。また道外技術は、令和4年度中部地方発明表彰で文部科学大臣賞を受賞しており、同技術を搭載した研削盤は、一般社団法人日本機械工業連合会主催の令和2年度優秀省エネ機器・システム表彰に於いて経済産業大臣賞を受賞している。

 

<参考>
・当社の研削盤が優秀省エネ機器・システム表彰 経済産業大臣賞を受賞
https://www.jtekt.co.jp/news/2021/001166.html
・令和4年度中部地方発明表彰で「文部科学大臣賞」を受賞
https://www.jtekt.co.jp/news/2022/000334.html

 

当該技術の特許概要
特許登録番号:特許第6455177号
発明の名称:静圧流体軸受装置、静圧流体軸受装置を用いた工作機械用主軸装置

 

ジェイテクトでは、「静圧軸受は、ジェイテクトが長期にわたって開発を続けるコア技術であり、これからも、このたびの静圧軸受の低動力化技術のように、工作機械に於ける製品性能の向上に向けた取り組みを実践してまいります。

 

また、ジェイテクトグループの製品すべてに於いて、軽量化・簡素化・小型化など環境に配慮した開発に努め、当社グループの製品をお使い頂くお客様のカーボンニュートラルにも貢献してまいります」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。