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2024年5月31日【ソフトウェア】

ジェイテクト、IEEE国際会議で論文賞

坂上 賢治

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ジェイテクトは5月30日、先の5月15日から17日にカナダ・トロントで開かれた4th IEEE International Conference on Human-Machine Systems( IEEE ICHMS 2024 )に於いて、産業界や大学から提出された177件の論文の中からジェイテクトが開発したPairdriver®( ペアドライバー )に関する論文「The Haptic Link Enabling Driver-Automation Teaming」が、最高位となる「Best Paper Award( 論文賞 )」を受賞した( ジェイテクトとしては初 )。

 

 

受賞論文タイトルと受賞者
受賞論文タイトル:The Haptic Link Enabling Driver-Automation Teaming
受賞者

研究開発本部システム創生研究部 仲出知弘氏
研究開発本部システム創生研究部 ロバート・フックス氏
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)応用機械設計研究室(LAMD)ユルグ・シフマン氏

 

IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)とは
アメリカに本部を置く電気や情報工学の技術標準化を行なっている団体で、世界160ヵ国以上、40万人を超える会員を有する、人類社会の有益な技術革新に貢献する世界最大規模の専門家組織。日本では米国電気電子学会とも呼ばれている。

 

IEEE ICMS2024とは
IEEE ICMS2024のテーマは「Trustworthy Human-Autonomy Teaming」とされ、人と自律システムの協調性を問うもの。論文ではPairdriver®が人とシステムが協調する自動運転を実現するシステムであり、構想段階ではなく既に実装に向けて開発が進行していることから、その信頼性が高く評価されて受賞に至った。

 

 

Pairdriver®について
電動パワーステアリング( EPS )を介して自動運転システムと運転者の「意思」をつなげるシステムで、運転者の入力トルク(ハンドル操作)などの情報と、車内外に取り付けられたセンサーによって検知・解析された車両運動とを統合し、その「システムの意思」をハンドルの振動や反力を通じて運転者に伝える。
「人とシステムとの直感的なコミュニケーション」による運転アシストで、今までにない安全・安心を提供する運転環境を実現する。

 

自動運転走行中にシステムが運転者の操舵を検知すると、操舵補助を伴いながらスムーズに運転者の操舵意思を反映し、システムと運転者の意思を同調させながら車両を操舵していく。高度なセンシング技術と制御技術により、スイッチの操作など明確な切り替え動作不要で安全で快適な運転を楽しむことができる。

 

今後、ジェィテクトは、国内外の自動車メーカーに対して既存のステアリングシステムと合わせて同製品の提案を進めていく。Pairdriver®のシステム構成は、完成車メーカーやサプライヤーの統合制御システムとの親和性が高く、その特長を生かし、自動運転領域に於ける多様なニーズに柔軟かつ迅速に対応すると共に、運転者の安全・安心に貢献していきたいと述べている。

 

<参考>
■Pairdriver®特設サイト
 https://www.pairdriver.jtekt.co.jp/

 

■人中心の自動操舵制御システム「Pairdriver™」を新開発
 https://www.jtekt.co.jp/news/2022/000318.html

 

■IEEE ICHMS 2024 ウェブサイト
 https://ichms.blog.torontomu.ca/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。