JLR傘下のJAGUARブランドは7月26日(英国ゲイドン時)、2025年からの全電動化への移行を前提に自社ブランドを象徴するスポーツカー「F-TYPE」のエンジンサウンドを大英図書館に寄贈した。
収録したエンジンサウンドはF-TYPEの車内外の両方からのV型8気筒スーパーチャージドガソリンエンジンの音。これを大英図書館に寄贈する事で、未来に於いても最後の内燃エンジンを搭載したJAGUARのスポーツカーのサウンドを愉しめるようにする事が目的であると話している。
なお同作業は、リグリアンサテンブラックのエクステリアカラーのF-TYPE R75(クーペ)最終モデル(ジャガースポーツカー誕生75周年記念車)の各ギアの加速時のエキゾーストノートを録音。30秒と47秒のサウンドトラックを作成。収録はゲイドン・エンジニアリング・センターの半無響室(JAGUARモデルの音質を開発・テストするために使用される防音室)で行われた。
JAGUARのシニア・サウンド・エンジニアのチャールズ・リチャードソン氏は、「F-TYPEに搭載した最高出力575PS・最大トルク700NmのV型8気筒スーパーチャージドガソリンエンジンは、吸排気システムに施した綿密なチューニングにより独自のサウンドを奏でます。
同モデルを発売するにあたり、こうしたチューニングを85回以上繰り返し、その後も継続的な開発を行ってきました。
そんな私たちは、F-TYPE R75のエンジンサウンドを、今後何世代にも亘って記録したいと思っていましたが、サウンド・アーカイブを大英図書館へ寄贈する事で、それが実現します。これは私たちにとって大変栄誉な事です」と語った。
また大英図書館の野生動物および環境サウンドのキュレーターのシェリル・ティップ氏は、「世界中のJAGUAR愛好家のために、F-TYPEのエンジンサウンドを保存出来る事を嬉しく思います(録音データは2023年秋から大英図書館のアーカイブに格納予定)。
このエンジンの生産が終了しても、このユニークなサウンドは、今日では聞く事ができなくなった他の音源と共に大英図書館のアーカイブに保管される事になります。
30秒と47秒の音源は、エンジンの始動音から始まります。回転数が上昇し、600rpmの安定したアイドリングに落ち着く前のフレアサウンドは、JAGUARを象徴するこの8気筒エンジンの潜在的なパフォーマンスを示しています。
その他、F-TYPEの様々な状況におけるサウンドが含まれます。F-TYPEが加速すると、エキゾースト・システムのバルブが開いて排気経路が変化し、特有のエキサイティングなサウンドを奏でます。
更に8速クイックシフト・トランスミッションによる歯切れの良いシフトアップとシフトダウン時のサウンドに加え、4本出しテールパイプから発せられる弾けるようなエキゾーストノートも聴く事が出来ます」と述べた。
なお最適な再生品質を提供するため車外で録音されたサウンドは、先の通り今秋以降、大英図書館のウェブサイトで公開されるが、JAGUARのサウンドアーカイブサイトからも聴く事も出来る。