ジャガー・ランドローバー(JLR)は英国ゲイドン時間の5月10日、エリザベス2世女王陛下の即位70周年を祝うプラチナジュビリーを記念した特別仕様車に仕立てた「DEFENDER 130」を英国赤十字社に寄贈した。
同車は北ウェールズに配備される予定。当地ではスノードニア山脈、リーン半島、アングルシー島などへの緊急事態発生時に、すぐに到達することが困難な地域の人々を支援するために使用される。
エリザベス2世女王陛下が在位して以降、70年間の長きに亘ってパトロンを務めてきた英国赤十字社と協力して製作した特別仕様車のDEFENDER 130は、ジャガー・ランドローバー(JLR)が追求するモダンラグジュアリーの原則に基づいて改造。
最先端かつ高度な通信機能も搭載した。当該車両が活躍するであろうウェールズ地域は、英国の議会報告書の通信調査によると4Gデータ通信の普及率が英国で2番目に悪い地域とされており、特に海岸線、山岳地帯、遠隔地では車両への通信機能搭載が不可欠だ。
そこで同車両には、場所を問わず強力な信号を発信するために強化された4G接続アンテナ、電話、通信用VHFラジオ、GPS追跡機能付きの最新のテレマティクスシステムを搭載。
更にルーフに設置した太陽光発電システムは、エンジンが作動していない時に補助バッテリーを充電して電力を供給出来るため、より長い時間データ通信が行える。
加えて車両内の3列目シートを取り外し、様々な支援物資を収納するためのスペースが設けられた。このスペースには引き出しを追加し、毛布や食料、救急用品などを収納出来るようにした。
これらの装備により、嵐、洪水、火災、凍結といった、様々な緊急事態に対応することが可能になっている。抗菌処理を施したシートカバーや充電端子を備えた充電式トーチもあり、実用性を高め、ボイラーも内蔵させて緊急時に温かい飲み物を提供することも出来るようにしている。
このモデファイについてジャガー・ランドローバーのブランドパートナーシップ、エクスペリエンス、コレクション担当ディレクターのローラ・ウッド氏は、「私たちは、約70年間にわたって英国赤十字社と協力関係を構築してきており、私たちの車両とテクノロジーを通して彼らの支援活動に貢献し、成長する方法を絶えず模索してきました。
私たちは協力して全国の孤立した農村地域の人々に手を差し伸べ続けています。今回特別に製作した『DEFENDER 130』は、北ウェールズで最も支援を必要としている人々を助けるという重要な役割を担います。
また今回の寄贈は、女王陛下が70年に亘ってパトロンを務められてきた英国赤十字社活動へ献身を称えるための最善な方法でもあります」と述べた。
一方で英国赤十字社の危機および緊急対応責任者であるであるクリス・デービス氏は、「約70年間にわたって、英国赤十字社のボランティアは、ランドローバー車両を使用して緊急事態に対応してきました。
火災や洪水から暴風雨、停電に至るまで、DEFENDERとのパートナーシップは、危機に瀕している人々に寄り添う活動において非常に重要な役割を担ってきました。
この賞賛すべき支援は、北ウェールズの緊急対応チームにとって大きな助けとなり、たとえ人々がどこにいても、どのような天候に遭遇しても、人々を引き続きサポートできるようになります」と謝意を込めて語っている。
なおこの特別仕様の「DEFENDER 130」は、北ウェールズでの運用を開始する前に、エリザベス2世女王陛下が在位中、定期的に出席されていたイベント「Royal Windsor Horse Show」(5月11日~14日)で展示される予定となっている。