NEXT MOBILITY

MENU

2022年12月15日【イベント】

日本流行色協会、今年のオートカラーアウォードを決定

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

一般社団法人 日本流行色協会 ( JAFCA、所在地:東京都千代田区、理事長:三雲英一< 大日精化工業・執行役員 > )は12月13日から14日、日東京国際交流館プラザ平成( 東京・江東区 )で、優れたモビリティのカラーデザインを顕彰する制度「オートカラーアウォード2022」を開催して今年のグランプリを決定した。( 坂上 賢治 )

 

このJAFCA主催のオートカラーアウォードは、モビリティのカラーデザインの企画力や形との調和を含む、内外装すべてのカラーデザインの美しさを評価する顕彰制度。同制度は1998年から始まり、審査会としては今年で24回目を迎えている。

 

 

今回のグランプリ選出に至る開催スケジュールでは、コロナ禍を経た今年は遂に3年ぶりに実車を展示する審査会が実現。

2022年12月13日(火)にノミネートデザインのプレゼンテーションを行い、翌14日(水)の審査を介してグランプリを発表した。

 

選出の対象車となったのは、日本国内市場に向けて販売されるモビリティのカラーデザインで、昨年の2021年12月9日〜今年2022年12月末迄に一般消費者が購入(またはリース)出来る旨を発表しているモビリティである事。日本国内市場向けに生産、販売、輸入されたカラーデザインである事。

 

審査の視点は、(1)市場に影響を与えたか。(2)モビリティのカラーデザインとして企画・発想が優れているか。(3)デザインの企画・発想が他業種の手本となりえるか。(4)従来にない色域に挑戦して成果をあげているか。(5)狙い通りのカラーが表現されているか。(6)モビリティ全体でカラーの調和が考えられているか。

 

アウォードの審査委員は、島村 卓実氏(Qurz Inc. 代表、プロダクトデザイナー)/松田 朋春氏(グッドアイデア株式会社 代表取締役)/大澤かほる氏( 一般社団法人日本流行色協会 クリエイティブディレクター)/JAFCA自動車色彩分科会メーカー代表審査委員。

 

上記を踏まえ今年の「オートカラーアウォード2022」のグランプリは、ダイハツ工業の 「ハイゼットトラック」に。

ちなみに今回は「特別賞」も選ばれ、本田技術研究所が開発した「HAWK11」を選出した。

 

なお今回は13のノミネートカラーデザインから選ばれており、それぞれのノミネートの詳細は以下URLの通りとなる。
https://www.jafca.org/seminarandevent/aca-nominate2019-copy.html

 

今回のグランプリに、ハイゼットトラックを選んだ理由について日本流行色協会では、「これまでの働くクルマに対して〝快適さ〟という言葉は無縁だったように思える。

 

なぜなら日本の〝働く〟という考え方に…、敢えて誤解を恐れずに言えば働く現場に〝快適さ〟を求めてはいけないという不文律があったのではないか、と。働く事は苦痛を伴うべきもので、むしろその苦痛の表現こそが美しい…と。

 

もしかしたら日本のモノづくりの根底にこの不文律があるのではないか。だからこそデザインが変わらない、そういう事が身の回りに沢山あるのではないか?

 

例えば頻繁に乗り降りする時にシートで、摩擦が生じる位置に縫い目がある。しかし、その縫い目の位置を変える事は、これまでの慣例を超える事であるから一朝一夕では出来ない。

 

ハイゼットトラックは、その一歩を踏み出して、〝快適に仕事をする〟ことへの〝解〟を導き出した。エクステリアも顧客の好みを反映し、なおかつ、働く現場のロケーションに馴染むよう調整されている」と、そうした点に焦点を当てた事を評価したとしている。

 

ダイハツ工業ハイゼットトラックの受賞メンバー

 

一方でクランプリを受賞したダイハツ・ハイゼットの開発陣は、「ダイハツ・ハイゼットは、誕生から60年。田んぼのあぜ道から下町の路地まで、ニッポン隅々を駆け巡る“仕事の相棒”として走り続けてきました。

 

近年では働くクルマの枠を超えて、お買い物などいつもの日常でも、沢山のお客様にご愛用
頂いています。

 

そんなハイゼットづくりで最も大切にしているのは、今も、これからも、この日本を支えて下さっている方々にとって一番近い存在であり続けるための〝お客様の生の声〟です。

 

これからのハイゼットに求められている事にまっすぐ向き合って辿り着いた〝働く〟を快適にする事を考え抜いたインテリアと商用の枠組みを超えた仕事と暮らしを〝もっと楽しく彩るボディカラー〟に、その想いを込めてお伝えしています」と話している。

 

 

【グランプリ】

ハイゼットトラックの開発テーマ/CMF(CMFの語意は後述)の力で“はたらく”をもっと楽しく、快適に!
カラー/エクステリア=アイスグリーン 、ファイアークオーツレッドメタリック 、オフビートカーキメタリック。インテリアカラー=ブラック(3台でノミネート)
担当デザイナー/ダイハツ工業株式会社 デザイン部 第二デザインクリエイト室 CMFグループ 里舘 ひなの氏

また特別賞として選出した「HAWK11」について日本流行色協会は、「今回、ノミネートされたCMFデザインでは〝自然風景をCMF〟で表現するという傾向が目立った。

( CMFとは、C=COLOR/色、M=MATERIAL/素材、F=FINISHを指している。このモノの表面を構成する3大要素であるCMFを意識する事で美しさと機能性が両立。よりクオリティの高い製品を生み出す事が出来るというデザインに係る考え方 )

 

それはコロナ禍の影響からか、空気を思う存分吸える場所に行きたいという思いがあってなのか、アウトドアブームともいえる現象が起きた。

 

しかし実際には、それはコロナ禍のためだけではなく、デジタル化していく社会と自らの身体が持つ〝自然〟との矛盾を解消する時間ではなかったか?という想いがよぎる。

 

バイクは身体と一体となって動くモビリティ、身体感覚をフルに活動させて味わう、そんな〝心象〟をHAWK11は表現している」と評した。

 

本田技術研究所デザインセンター・モーターサイクルデザイン開発室CMF Gr.桂川 碧氏

 

一方、受賞者の本田技術研究所デザインセンター・モーターサイクルデザイン開発室CMF Gr.は、「たまにしか乗れないOne Special day、それでもその日を最高の一日にしてくれる存在。

 

朝早く、まだ星の出ている薄暗い中を早駆けする時のひんやりとした山の空気。そこに至るまでに聴いていた心地よいエンジン音。バイクを停めた静寂の時、周りの木々や空が美しくTANKに映り込むHAWK11。

 

そんな情景をイメージし、毎日を一生懸命生きる方に向け、日常から解き放たれ素の自分を取り戻した時傍らに静かに寄り添ってくれる存在は、きっと、その人が力強く前に進むためのパワーと成ります。そうした存在を目指し、HAWK11の設計を手掛けました」と話している。

 

 

【特 別 賞】
HAWK11の開発テーマ/Silence & Intense
カラー/パールホークスアイブルー
担当デザイナー/本田技術研究所デザインセンター モーターサイクルデザイン開発室CMF Gr. 桂川 碧氏

 

 

〈オートカラーアウォード2022協賛〉

長瀬産業株式会社/DIC株式会社/東レ株式会社ウルトラスエード事業部/大日精化工業株式会社/旭化成株式会社/藤倉化成株式会社/武蔵塗料ホールディングス株式会社/東洋アルミニウム株式会社/ヤマハ発動機株式会社/山本通産株式会社/トーヨーカラー株式会社/日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社/BASFジャパン株式会社/松崎化成株式会社

 

〈同後援〉
国土交通省、日本商工会議所、東京商工会議所、公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会、一般社団法人日本インテリア協会、公益財団法人日本デザイン振興会、一般社団法人日本自動車工業会、日本自動車輸入組合、一般社団法人日本テキスタイルデザイン協会、一般社団法人日本塗料工業会、一般社団法人日本自動車販売協会連合会

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。