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2025年3月17日【トピックス】

いすゞの9速AMT、第57回市村産業賞 貢献賞を受賞

坂上 賢治

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いすゞ自動車の小型トラック向けデュアルクラッチ式9速AMT「ISIM(アイシム)」が、公益財団法人市村清新技術財団が主催する「第57回 市村産業賞」で「貢献賞」を受賞した。いすゞの受賞としは今回が初。

 

市村産業賞は、優れた国産技術を開発することで産業分野の発展に貢献・功績のあった技術開発者に対して贈呈される技術賞。4月18日(金)に、帝国ホテル東京で贈呈式が行われる。

 

製品名称のISIM(アイシム)は、Isuzu Smooth Intelligent TransMission の頭文字をとった造語。“シームレスでスムース”“俊敏・知的”といった、いすゞが独自開発したトランスミッションの特徴を表現した。

 

 

受賞概要は以下の通り

 

受賞テーマ:省燃費と運転負担軽減に資する小型商用車用トランスミッション
受賞者
 金子直弘(かねこ なおひろ)
 岡本壮史(おかもと たけふみ)
 明石浩平(あかし こうへい)

 

開発の背景
世界的に脱炭素社会の実現に向けた動きが加速する中、CO2排出の多くを占める商用車は、EVの開発・提供を進めるも、航続距離、車両重量、車両価格などの課題から普及には時間を要する。

 

そのため、現在主流の動力方式である内燃機関において、従来以上に省燃費でエネルギーロスの少ないパワートレインを搭載した製品の開発、市場提供が求められている。また、物流業界ではeコマース普及による物流量増加に伴う深刻なドライバー不足に直面しており、さらに時間外労働の上限規制(2024年問題)によりリソースが減少し、輸送能力の低下が課題となっている。

 

そうしたなかでいすゞは、商用車の環境性能とイージードライブ性能をより高いレベルで両立する、小型トラック向けデュアルクラッチ式9速AMT「ISIM」を開発した。独自のギヤトレイン構造を採用することで、一般的な6速トランスミッションと同じ歯車列数で9速を実現。多段化しつつ、従来の6速トランスミッションに比べて全長を17mm短縮し、8kgの軽量化を達成した。

 

その構造は9速に多段化、ワイドレンジ・クロスレシオ化によりエンジン回転を抑えた省燃費走行が可能として騒音低減にも寄与。これにデュアルクラッチとクロスレシオとの組み合わせてトルク抜けなく適切な駆動力が得られる仕様とし従来の小型トラックにはない運転のしやすさを実現した。

 

 

2023年3月にフルモデルチェンジした小型トラック「エルフ」に当該トランスミッションを搭載し、CO2排出量を削減するとともに、イージードライブ性能向上によりドライバーの疲労を軽減。労働環境変化によりドライバー不足の解消にも貢献した。

 

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関連サイト:

公益財団法人市村清新技術財団 市村産業賞 第57回概要

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。