トヨタ車体は5月21日、「人とくるまのテクノロジー展 2021」(主催:公益社団法人 自動車技術会)に出展し、新機能搭載のシート、植物材料を用いた製品、燃料電池流路部品の加工技術を紹介すると発表した。
■出展内容
(1)ターンチルトシート
「ターンチルトシート」は、全ての人が利用したくなるシートを目指して開発し、メーカーオプションとして設定された。シートが回転しながらチルトすることで、立ち上がる際に両足が地面に着くことができ、足・腰への負担を軽減する。レバーひとつで回転&チルトするため、自身での操作が可能となり、これまでの助手席だけでなく、初めて運転席にも設定することができるようになった。
(2)植物材料
脱炭素社会の実現に向け、弊社が開発した植物材料(パルプ、間伐材を利用した木粉、セルロースナノファイバー)の性能紹介と、それらを成形加工した自動車部品などを紹介。
植物材料は、二酸化炭素を自身の中に取り込んで成長するため、脱炭素社会、サーキュラーエコノミーの実現に貢献する。また、軽量で耐熱性に優れた性能を活かすことで自動車の機能向上に役立てることも可能。
① TAB-PULP(タブパルプ):パルプモウルド吸音材
② TAB―BIO(タブバイオ):バイオPEを古紙パルプで補強した植物由来 100%の射出材料
③ TABWD®(タブウッド):スギ間伐材を強化繊維として使用し、熱可塑性樹脂(適当な温度に加熱すると軟化し、冷却すると固化する変形しやすい性質の樹脂)と組み合わせた難燃性射出材料。これまでランドクルーザーのフォグランプブラケットやアルファードハイブリッド車などのエンジンルーム内のワイヤーハーネスプロテクター(配線をまとめかつ保護する目的で取り付ける部品)、海外向けハイエースバッテリーキャリア(自動車のバッテリーを載せるトレイ)に採用されている。
④ TABCNF:セルロースナノファイバーで補強した射出材料
(3)燃料電池流路部品の加工技術
初代トヨタ「MIRAI」に採用された燃料電池空気極側の流路部品「3Dファインメッシュ流路」の開発・生産では、トヨタ車体独自の超精密・高速プレス加工技術を用いて3次元的な微細格子構造の連続生産を実現した。今回は、120倍の生産性向上を達成した「ロータリー成形工法」を紹介する。
■人とくるまのテクノロジー展
https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/online/