今年、開催2回目となるIAA MOBILITY2023(IAAモバイル2023/一般公開期:2023年9月5~10日)は5月9日(現地時)、独・バイエルン州の新ミュンヘン国際見本市会場(Neue Messe München)並びに、同拠点からミュンヘン市内へと向かう外部周辺エリアのダウンタウンをオープン・スペースに見立てて開幕した。( 坂上 賢治 )
そもそもIAA(Internationale,Automobil-Ausstellung)は、予てよりドイツ自動車工業会(VDA/Verband der Automobilindustrie)が主催者となって、長年フランクフルトの地で2年に1度の周期で開かれてきた古典的なスタイルのモーターショーであったのだが、2021年からミュンヘンに開催地を移転。
先の2021年に初開催した第1回目は、既存の自動車枠から超えた自転車やキックスケーター、ドローンなどライド対象を大幅に拡大。〝サステイナブル・モビリティ〟をテーマに据え、当時コロナ禍であったにも関わらず40万人の来場者を集めた。
今回も多様な国際企業がモビリティの未来を示しつつ、併せて先のIAAオープン・スペースでは、モビリティ分野の利害関係者、意思決定者、先見者が集まる業界会議も開かれるなど、モビリティ・持続可能性・テクノロジーをテーマに世界をリードする内容になると謳う。
また出展者も、活動の本拠いである欧州・自動車メーカーや部品メーカー以外に、米Tesla(テスラ)の他、中国・比亜迪(BYD)なども出展(38 か国・約 750の出展者)する。更に今年の世界新エネルギー車会議(WNEVC)も、初めて中国を離れ、IAAモビリティの開催期間中に開かれる。
そんなIAAモビリティに於いて、開会挨拶で登壇したVDAヒルデガルト・ミュラー会長は、「IAAモビリティの魅力はホンモノの未来のモビリティを体感できることです。
例えば人工知能、例えば高速データ処理、更にリアルタイムナビゲーション、気候保護と資源の保全を両立させる持続可能なモビリティプラットフォーム。いずれも、未来のモビリティをより良い世界へと導いていく技術です。
そんな今後、数年間で企業が変革しようとする未来像を、IAAモバイルの訪問者は直接目にすることができるです」と述べた。
またオラフ・ショルツ首相はIAAモビリティについて、「最初のモビリティ革命は135年前のドイツ・ミュンヘンで始まりました。そして環境に優しいモビリティの創造を目指した第2の革命もIAAモビリティが開かれるミュンヘンで始まっています。
そんな、この地で暮らす私たちが目指さなければならないとてつもなく大きな革命は、世界を含めた我々全員が共に協力して取り組まねばならない壁として立ちはだかっています。
しかし幸いIAAモビリティには、自動車産業に於けるメーカーやサプライヤー、官民両方の都市計画者やエネルギー供給者、ライトモビリティのプロバイダー達に加え新興のテクノロジー企業など、様々なプレーヤーが一堂に会する場となっています。
今日、迫り来る気候変動を前に私たちは、真の未来のモビリティの姿を突き止めるため、社会、政治、ビジネスの場を超えた交流と対話が不可欠です。IAAモビリティは単にイノベーションとビジネスのためのものではありません。私達は共に未来を一緒に考え、切り拓いていく必要があるのです」と畳み掛けていた。
開催展名:IAA MOBILITY 2023
会期:2023年9月5日(火)~10日(日)
時間:9:00~18:00
会場:ミュンヘン見本市会場&ミュンヘン市内オープン・スペース
主催:German Association of the Automotive Industry (VDA)
専門分野:自動車/モビリティ
開催周期:2年に1回
初回開催:2021年