本田技研工業傘下のホンダ・レーシング(HRC)は8月30日、2020年FIM(国際モーターサイクリズム連盟)ロードレース世界選手権MotoGPクラスチャンピオンのジョアン・ミル(Joan Mir )選手(スペイン 24歳)と、2023年からのMotoGP参戦に於ける2年契約で合意に達したと発表した。( 坂上 賢治 )
ジョアン・ミル選手は、世界最高峰のMotoGPクラスでチャンピオン獲得経験を持つライダーであり、その足跡は2013年からレッドブルMotoGPルーキーズカップで登場したのが皮切り。2年後の2015年には、ロードレース世界選手権Moto3クラスへワイルドカード参戦を果たした。
2016年にはKTMからMoto3クラスにフル参戦し、1勝を含む3度の表彰台を獲得してルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。更に翌2017年は年間10勝を挙げて同クラスのチャンピオンを獲得。2018年にはMoto2クラスに昇格、続いて2019年にスズキのファクトリーチームであるチーム・スズキ・エクスターから最高峰のMotoGPクラスに昇格すると、その翌年に同クラスでチャンピオンを獲得した。
結果、これまでにグランプリ通算12勝と33回の表彰台を獲得(2022年 第13戦オーストリアGP終了時点)。ここ4年間はチーム・スズキ・エクスターで戦ってきたミル選手だが、今季チーム・スズキ・エクスターが突然、2022年シーズン限りでMotoGPの参戦を終了する事を発表したためチームを離れざるを得ない状況になっていた。
しかし翌2023年からは、過去にMotoGPクラス4連覇の実績を積み上げているマルク・マルケス選手のチームメイトとしてワークスマシンHONDA RC213Vを駆ってMotoGP参戦を継続する。一方で2019年以来、長らく王座から遠ざかっているホンダは、ミル選手を獲得したことにより布陣を強化。改めてワールドチャンピオンを目指して走り出す事になる。
なお、現時点に於いてチーム・スズキ・エクスターでミル選手のチームメイトであるアレックス・リンス選手も来シーズンは、アレックス・マルケス選手の後任としてLCRホンダに加入する。これでホンダ陣営で契約が確定していないシートは目下(2022年8月30日現在)、中上貴晶選手がライドしているLCRホンダの1シートのみとなっている。