本田技研工業(ホンダ)は12月20日、東京都港区南青山に所有する「Honda青山ビル」(以下、青山ビル)の建て替えのため、同ビル1階にある「Hondaウエルカムプラザ青山 」を、来年3月31日を以て休館し、同ビル内での業務を5月に終了。建て替え前の最後のイベントとして、青山ビルに込められたホンダのフィロソフィーを体感する同ビルの建築ツアーと、39年間のHondaウエルカムプラザ青山の歴史を振り返る展示イベントを開催すると発表した。
なお、現在の青山ビルは来年度に解体され、2030年度の完成を目標に同地に新たなビルが建設される予定。建て替え期間中、同ビル勤務の従業員は、東京都港区の虎ノ門アルセアタワーおよび埼玉県和光市のHonda和光ビルにて業務を行う予定。また、新たな青山ビルに関する詳細については、今後適宜案内していくとのこと。
本社ビル建替への経緯
青山ビルは、当時の国際化や情報化といった時流に対応し、本社機能の充実、効率化を図るため、1985年に2代目の自社ビル本社として建設。同ビルには、ホンダのクルマづくりの考えである安全性や省エネルギー、居住性、操作性、機能優先のデザインが導入されており、一例としてバルコニーには、上部への延焼とガラスの落下を防ぎ歩行者の安全を確保するなど、防災、安全に細心の配慮がなされていると云う。
青山ビルのバルコニー。
また、ビルの開館と同時に、社会との調和、コミュニケーションを図る場として、1階に「Hondaウエルカムプラザ青山」を開館し、新製品や技術の展示、各種イベントの開催などを運営。地下3階には35トンのカナダ産ヒバの大樽2つ置かれ、そこに貯水された水を「宗一郎の水」として訪問者にも無料提供、災害時の飲料水としての役割も担ってきた。
そんな青山ビルの誕生から39年、社会や産業が急速に変革に向かうなか、将来に亘って人々や社会から〝存在を期待される企業〟であり続けることを目指すホンダは、〝イノベーションを生み出す変革と発信の拠点〟となるグローバル本社機能を構築する必要があると判断。本社ビル建替の決定に至ったと云う。
青山ビルの2Fロビーとヒバの大樽。
[建替前イベント・展示の概要]
(1)青山ビル建築ツアー
初代本社ビルであり、2023年に解体された八重洲ビルに込められた創業者の想いとホンダのフィロソフィーを継承した青山ビル。建築を通してビルに込められたそのフィロソフィーを、八重洲ビルの建築ツアーも担当した建築史家の倉方俊輔氏の解説と共に案内する。
– 開催日:2025年2月23日(日)
– 開催時間:10:00~11:30/13:00~14:30/15:30~17:00(計3回開催)
– 開催会場:Honda青山ビル(1階Hondaウエルカムプラザ青山に加え、ビル内部も含む)
– 会場住所:〒107-8556 東京都港区南青山2-1-1
– 募集人数:75名を予定(25名×3回。応募多数の場合は抽選)
– 参加料金:無料
– ツアー案内人:建築史家/大阪公立大学教授の倉方俊輔氏
– ツアー応募期間:2025年1月24日(金)~2025年2月9日(日)
– 備考:ツアーおよび申込み方法の詳細は、ホンダの公式サイト を参照
(2)ウエルカムプラザ青山での展示
閉館までの3カ月、これまでの歴史を振り返る展示を実施する。1985年から現在までに話題となった製品や、イベントなどのウエルカムプラザ青山でゆかりのある展示を計画している。
– 開催日:2025年1月10日(金)~3月31日(月)
– 開催時間:10:00~18:00(他イベントのため、開催時間が異なる日がある)
– 開催会場:Hondaウエルカムプラザ青山
– 会場住所:〒107-8556 東京都港区南青山2-1-1 Honda青山ビル
– 参加方法:入場自由
– 備考:詳細は、ホンダの公式サイト を参照。
[建て替え期間中の移転先]
・虎ノ門アルセアタワー(東京都港区虎ノ門二丁目2番3号)
・Honda和光ビル(埼玉県和光市本町8-1)
<現在の青山ビルの概要>
– 施設名:Honda青山ビル
– 所在地:東京都港区南青山2-1-1
– 竣工年月:1985年8月
– 規模:地上17階 地下3階
– 構造:鉄筋コンクリート造
– 延床面積:40,224㎡