文部科学大臣は4月17日、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術の水準の向上に寄与することを目的として、「令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」に係る以下分野の授賞に伴う表彰式を、文部科学省の講堂で執り行った。
「科学技術賞(開発部門、研究部門、科学技術振興部門、技術部門、理解増進部門)」、「若手科学者賞」、「研究支援賞」、「創意工夫功労者賞」。そのなかで今回、本田技研工業の技術者が「グローバルなCO2削減を実現する進化型CVTベルトの開発」で「科学技術賞・開発部門」を受賞した。
この受賞は、エンジンの動力をタイヤに伝えるCVT(無段変速機)の基幹部品であるCVTベルトの設計・構造改良に伴う実績が評価されたもの。そもそもCVTベルトは、従来技術に於いて金属ベルトが動力を伝達する際、その構造により摩擦損失が生じて動力効率が低下していた。
これに対して、ホンダの技術者2名(以下で後述)は、ベルトの設計や構造を改良することで摩擦損失を大幅に低減し、最適な動力伝達効率をもたらすCVTベルトの開発に成功した。
このCVTベルトは、アジアや南米などで販売されているコンパクトカー「CITY(シティ)」の内、タイ仕様のCVTに採用され、走行時のCO2排出量を120g/kmから100g/km以下に減らすなど、CO2削減に貢献している。
科学技術賞 開発部門 受賞者
- – 矢ヶ崎 徹 氏(やがさき とおる)
本田技研工業株式会社 四輪事業本部 四輪開発センター
- – 隅田 聡一朗 氏(すみだ そういちろう)
本田技研工業株式会社 電動事業開発本部
受賞業績
「グローバルなCO2削減を実現する進化型CVTベルトの開発」
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過去の科学技術分野の文部科学大臣表彰に於けるホンダの受賞歴
- – 平成27年度 :科学技術賞 開発部門 「低燃費と力強い加速を両立したハイブリッドシステムの開発」
- – 平成28年度 :科学技術賞 開発部門 「小型水素ステーション向け差圧式高圧水電解システムの開発」
- – 平成29年度 :科学技術賞 開発部門 「小型ビジネスジェット機用ターボファンエンジンの開発」