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2024年7月4日【トピックス】

ホンダ、損保大手や大手銀など10社の保有株式売却を承認

坂上 賢治

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本田技研工業(ホンダ)は7月4日、銀行6社・損保4社保有のホンダの普通株式2億5987万9700株を売り出すことについて同日開催した経営会議で承認した。併せて3898万1900株を上限にしたオーバーアロットメント(需要に応じて行う追加売り出し)による売り出しも含めた2億9886万株も承認されている。

 

上記に係るホンダの普通株式の売り出しは、昨年12月、金融庁から損保4社が企業向け保険料を事前調整したとして保険業法に基づく業務改善命令を受けた際、政策株の保有多寡が契約シェアに影響したと指摘。これを踏まえ損保4社は、年が改まって以降、政策株を段階的に削減する方針を打ち出していた。

 

今回はそれが、円高が1ドル=160円台を大きく超える段階へまで進行している時点で行われた。それらは大手保険会社と自動車会社との間の市場力学の変化も影響したようだ。また併せて当該の自動車産業界に限らず、日本国内に於ける株式持ち合い慣行の解消を目指す傾向が加速化しているためでもあり、損保各社は株式市場でコーポレートガバナンス体制を保つべく、政策保有株式を整理する動きにより、その姿勢を示した。

 

ちなみに損保4社では2024年3月末時点で、広域でおよそ9兆円相当の政策株を保有しているが、そこから東京海上日動火災保険が持つホンダの85,108,200株を筆頭に、三井住友海上火災保険、損害保険ジャパン、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、日本カストディ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ銀行、あいおいニッセイ同和損害保険、埼玉りそな銀行、みずほ銀行、野村信託銀行など10社などが保有するホンダの普通株式を売り出す。

 

これを受けてホンダでは、「当社は、経営の最重要課題のひとつとして、コーポレートガバナンスの充実化に取り組んでいます。

 

企業を取り巻く環境が大きく変革する時代においても、企業価値の向上を実現するために、(1)事業の変革フェーズに応じた戦略的な資源配分、(2)資本コストを意識した経営などガバナンスの強化、(3)ステークホルダーの皆さまとの積極的な対話を通じた更なる経営の質の向上、を進めています。

 

一方、株式市場に於いても、コーポレートガバナンスの充実を実現する観点から政策保有株式を見直す動きが進んでいます。今般、当社は一部の株主と継続的な議論を重ね、当社株式に係る政策保有株式を早期に縮減させると共に、株主層の裾野の拡大および多様化により、当社の企業経営に対する規律を一層高めるべく、本売出しの実施を決定しました。

 

本売出しを通じて、当社の企業活動を中長期的にご支援いただける幅広い投資家の方々と協創することで、強いブランド・事業基盤を構築し、更なる企業価値向上を実現することを目指します」と述べており、政策保有株式を早期に縮減させて、事業基盤の安定化を目指す構えだ。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。