IAA MOBILITY2023(ドイツ国際モーターショー)開幕目前の9月3日(ドイツ・ミュンヘン時)、フォルクスワーゲングループは、当地の映画制作拠点アイスバッハ・スタジオで開催されたショーの前夜祭(メディアナイト)へ世界各国から400名以上の報道関係者を招待。( 坂上 賢治 )
その壇上でフォルクスワーゲン グループのオリバー・ブルーメCEOは、自らのCEO就任1周年を振り返る自社グループの成果報告と併せて、未来戦略の道筋も示した。
ブルーメCEOが掲げたテーマは「Success by Design(サクセス・バイ・デザイン/デザインによる成功を目指す)」というもの。ブルーメCEOは、「世界中に1億人以上のお客様を抱える当社は、差別化戦略を推し進めることが成功の鍵とした信念のもと、常に顧客満足の高さを重視してきました。
そうしたなか、お客様とのエモーショナルな繋がりを造り出すための優れた設計思想は、顧客満足を高めるための不可欠な要素です。各車両のスタイリングは、傘下ブランドの成功を決定づける上で最重要ファクターとなるでしょう。
実際、各ブランドには、それぞれ独自の強い個性が必要であり、優れた造形は各ブランドの価値を高め、他車との差別化をより一層、強固にします。それは外装、内装、そしてデジタル体験などの全ての領域に渉る取り組みとなります。
各デザイン・設計部門は、それぞれのブランドCEOの下で手を携え、緊密に連携して仕事をこなし、共にデザイン主導の企業〝design-driven company〟を目指していくのです」と述べた。
一方、グループデザイン責任者 兼 ポルシェデザイン責任者でもあるミハエル・マウアー氏は、「孤高のブランド アイデンティティを持つこと。それはかつて、クルマの購買に結びついていたセリングポイントの説得性が弱まる昨今、重要な役割を果たします。
デザインはブランドの核心とは何か、ブランドがどこから来て、どこへ向かっていくのか、何がブランドをユニークにするのかを解釈するための感情に訴えかける言語であり、人々はデザインを通じてブランドに共感するものです。
それはドゥカティのライダーから、スカニアに乗るトラックの運転手に至るまで多彩であり、それだけ幅広い顧客接点を持つ当社にとっては、それぞれが独自の個性を必要としています。それを育て、未来に導くことが我々が目指すべき仕事でもあるのです」と説明した。