NEXT MOBILITY

MENU

2023年6月21日【イベント】

来季FIAフォーミュラE選手権・第7戦に東京開催が決まる

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

FIA国際自動車連盟は欧州時間の6月20日、スペイン・コルドバに於いてWMSC世界モータースポーツ評議会を開催。この席上でFIA世界モータースポーツ評議会による承認と各開催都市の地元ASN(国家スポーツ当局)の支援を受け、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の来季2023/2024年シーズン10の暫定カレンダーを発表した。( 坂上 賢治 )

 

 

この暫定カレンダーによると、先より東京都江東区有明の東京ビッグサイト周辺で開催を目指していた東京大会(2022年の10月時点で小池百合子東京都知事とフォーミュラE・オペレーションズのジェイミー・ライグルCEOは、当該世界選手権シリーズに於ける東京開催に係る協定を締結していた)が、3月30日開催の第7戦として暫定カレンダー入りを果たした。

 

このABB FIAフォーミュラE世界選手権とは、化石燃料を使用しない電動パワートレイン搭載のフォーミュラカーで競われるシリーズ戦として、2014/2015年(シーズン1)より開催。2020/2021年(シーズン7)からは世界選手権となっているもの。

 

ちなみに今季のシーズン9は11チーム22台が参戦。日本の自動車メーカーでは日産自動車がワークスチームとしてフォーミュラEが参戦している。加えて日産自動車は、NEOMマクラーレン・フォーミュラEチームへパワートレインの供給を行っている。

 

当該・第7戦に組み入れられた東京大会は、FIA公認かつ四輪の純レーシングカーを用いた世界選手権モータースポーツイベントとしては、日本の都市で初開催されるモータースポーツイベントとなる(レーシングカートでは、2020年9月20日に島根県江津市の市街地コースでA1市街地グランプリGOTSU2020が開かれている)。

 

開催の舞台は、日本国内に於けるモータースポーツの管轄団体である日本自動車連盟(JAF)の支援を得て、東京湾のウォーターフロントにある東京ビッグサイト周辺の公道となる見込み。

 

 

東京都の小池百合子都知事は、「2024年3月のフォーミュラE世界選手権大会の開催地として東京が正式に決定されたことを大変うれしく思います。

 

東京都は、ゼロエミッション車の普及による環境先進都市〝ゼロエミッション東京〟の実現に向けてあらゆる分野での取り組みを加速しています。そうしたなかフォーミュラEは、排気ガスやエンジン騒音を出さない電気自動車によるロードレースとして、世界の主要都市で開催されています。

 

これを踏まえ当該レースは、持続可能な次世代都市を目指す東京のベイエリア、東京ビッグサイト周辺で開催されます。日本で初めて開催されるこのレースの躍動感を間近で楽しみ、選手たちを応援しましょう。

 

また同レースは、東京都に於いてゼロエミッション車の普及に弾みをつけるだけではなく、東京の魅力を世界に発信し、東京の国際的存在感を高める絶好の機会となります。東京都は、主催者や関係者と協力してレースの成功を確実なものにしていきます」と述べた。

 

加えてフォーミュラEの共同創設者兼チーフチャンピオンシップオフィサーのアルベルト・ロンゴ氏は「来シーズン、フォーミュラE選手権を東京の街で披露出来ることに興奮している。

 

フォーミュラEにとって東京は象徴的な世界都市であり、フォーミュラEのユニークさを示す最適な場所である。従ってシリーズ7戦は世界的から注目されるだろう」と語った。

 

またフォーミュラEのジェフ・ドッズ最高経営責任者(CEO)は「来季10シーズン目を迎えるフォーミュラEにとって、東京大会は歴史的なイベントとなるだろう。

 

今後も我々はフォーミュラEレースの開催に相応しい多くの世界都市との協議を進めている。この結果は今年後半に発行される最新のカレンダーに反映される予定だ」と語った。

 

FIAサーキットスポーツ部門ディレクターのマレク・ナワレッキ氏は「フォーミュラE選手権が初めて日本に開催されることを嬉しく思う。

 

この来季のカレンダーは、フォーミュラEの継続的な成長を示すものとしてアジアに於けるシリーズの存在感と影響力を与えるだろう」と話した。

 

なお現段階で17レースの暫定カレンダーのうち3ラウンドは未定となっているが、WMSC並びにFIAは、フォーミュラEが世界の象徴的な場所で行われるよう鋭意協議を続けていると説明した。

 

来季2023/2024年シーズン10の暫定カレンダー(6月20日付)は以下の通り
ラウンド_開催地___開催日時
1_メキシコ・メキシコシティ_1月13日
2_サウジアラビア・ディルイーヤ_1月26~27日
3_サウジアラビア・ディルイーヤ_1月26~27日
4_未  定_2月10日
5_未  定_2月24日
6_ブラジル・サンパウロ_3月16日
7_日本・東京_3月30日
8_イタリア・ローマ_4月13〜14日
9_イタリア・ローマ_4月13〜14日
10_モナコ・モンテカルロ_4月27日
11_ドイツ・ベルリン_5月11〜12日
12_ドイツ・ベルリン_5月11〜12日
13_未  定_5月25日
14_インドネシア・ジャカルタ_6月8日
15_アメリカ・ポートランド_6月29日
16_イギリス・ロンドン_7月20~21日
17_イギリス・ロンドン_7月20~21日

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。