本田技研工業のドライバー育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」に所属する岩佐歩夢(いわさあゆむ)選手がF1鈴鹿GPのプラクティス1(FP1)セッションに出走する。
より具体的には、4月5日に鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催される「2024 FIA F1世界選手権シリーズ MSC CRUISES日本グランプリレース(F1日本グランプリ)」のVisa Cash App RB Formula One Team(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラ・ワン・チーム)のFPでステアリングを握る。
なお岩佐選手が駆るVisa Cash App RB Formula One Teamのマシンには、ホンダ・レーシング(HRC)が技術支援を行うパワーユニット(PU)が搭載されている。
岩佐選手は2019年に「鈴鹿サーキットレーシングスクール(現ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿※3 <HRS>)」を首席で卒業。フランスF4でチャンピオンを獲得後、欧州のレースシリーズを中心に着実にステップアップしてきた。
2023年には、FIA F2選手権でシリーズ4位の成績を収め、F1参戦に必要なスーパーライセンスの獲得要件を満たした。
今シーズンはホンダのドライバー育成プログラムHFDPおよびRed Bullグループのドライバー育成プログラム「レッドブル・ジュニアチーム」のメンバーとして、F1へのステップアップを視野に、日本のフォーミュラカーレースの最高峰である全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)に参戦している。
岩佐歩夢選手は、「F1の公式セッションに参加できることを大変嬉しく思います。F1という世界最高峰レースで勝利を手にし、ワールドチャンピオンで居続けるという自身の夢の実現に向かって、母国である日本でその一歩を踏み出せることにワクワクしています。
まずは、この挑戦を応援して下さっている皆様に心から感謝を申し上げたいです。公式セッションでは、自身に課されたミッションを着実にこなしつつ、より多くのことを学んでまいります。鈴鹿で皆様にお会いできることを楽しみにしています」と話している。
またVisa Cash App RB Formula One Team チーム代表のローラン・メキーズ氏は、「歩夢が日本GPのFP1で我々のマシンに乗ってくれることは、我々にとってとても喜ばしいことです。
昨年末のアブダビでのテストで、彼は初めて我々のマシンに乗り、素晴らしい仕事をしてくれました。それ以降、彼はシミュレータードライバーとしての仕事を担い、ファクトリーでのライブレースサポートも含めて、毎戦チームにたくさんのことをもたらしてくれています。
今回のFP1での経験が、彼のドライバーとしての成長に直結するのはもちろんのこと、シミュレーターでの仕事を、リアルの現場で行うことになるので、彼とエンジニアたちとの協力関係がより強固になると信じています。
FP1では、(角田)裕毅と歩夢という二人の日本人ドライバーが、Honda RBPT のパワーユニットを搭載したマシンで出走することになるので、チームにとっても非常にエキサイティングなセッションとなるでしょう」と述べた。
加えて株式会社ホンダ・レーシング代表取締役社長の渡辺康治氏は、「この度、Hondaのホーム、鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリで、F1マシンを操る岩佐選手の雄姿を皆様にご覧いただけることを大変うれしく思っています。
そして、岩佐選手にFP1走行の機会を提供いただいたVisa Cash App RB Formula One TeamおよびRed Bullグループに感謝を申し上げます。岩佐選手には、引き続き『夢』の実現に向かって突き進んでもらい、世界中の若者たちに勇気を与えてほしいと思っています。これからも岩佐選手に熱いご声援をよろしくお願いいたします」と結んでいる。
岩佐歩夢選手のプロフィール
生年月日:2001年9月22日生まれ
出身地:大阪府出身
レーシングキャリア概要:※カッコ内は所属チーム
- 2019年 鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)を首席で卒業
- 2020年 フランス・F4選手権 シリーズチャンピオン(FFSA Academy)
- 2021年 FIA F3選手権 シリーズ12位(Hitech Grand Prix) F3・アジア選手権 シリーズ8位 ルーキー・チャンピオン(Hitech Grand Prix)
- 2022年 FIA F2選手権 シリーズ5位 優勝2回 表彰台6回(DAMS)
- 2023年 FIA F2選手権 シリーズ4位 優勝3回 表彰台6回(DAMS)
- 2024年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 9位(TEAM MUGEN)※開幕戦終了時点