独・エレクトロビットは、2024年1月9日から1月12日に米国・ラスベガスで開催される世界最大級のハイテク技術見本市「CES2024(主催:全米民生技術協会)」で「SDM/ソフトウェア・デファインド・モビリティ(Software-Defined Mobility)」に係る全方位製品を展示する(独・エアランゲン発、12月11日)。
より具体的には、自動車アーキテクチャ及び仮想開発ソリューション、最先端のデジタルコックピットなど車内のユーザー体験に至る、ソフトウェア定義型自動車(SDV)実現に向けた全方位ソリューションを提案するという。
これまで同社が、数十年の経験を経て蓄積してきたソフトウェアとサービスソリューションは、既に6億台以上の車両と50億以上の組み込みデバイスで実証済みであり、これらの独自技術を介して、未来を見据える世界の自動車メーカーの次世代車開発をサポートしていくとしている。
エレクトロビットの最高製品責任者マイク・ロバートソン氏(Mike Robertson)は、「私達が目指すべきゴールは、現在、自動車メーカーが取り込んでいる複雑なソフトウェア・デファインド・モビリティ(SDM)に係るシステム開発を、より容易に取り組める環境としてご提供するべくお手伝いしてくことです。
当社は、SDMの開発プロセスを簡素化し、確かな製品とサービスを提供することを目指して、自動車産業界への新規参入を目指すユニコーン企業、既に先端ソリューションを有する技術企業などと緊密に連携することを介し、最終的にお客様企業のビジョン実現を通して世界を動かします。
今回のCES2024では、LVCC(ラスベガス・コンベンション・センター)西ホール#4117のエレクトロビットのブースで、当社のソリューションがどのように自動車を根底から変革していけるかをご覧頂き、また実際に体験頂くこともできます」と説明している。そんなエレクトロビットが実施するデモンストレーションの内容は以下の通り。
インタラクティブな車載オペレーティングシステム(OS)フレームワーク
まず当該ブースのデモでは、EB corbos Linuxの最新バージョンが取り上げられ、車載OS上で動作するSDVの様子を包括的かつ的確に確認できる。
同社のソフトウェアは、車両のライフサイクル全体に亘る安心運行と、信頼のセキュリティ能力を実現しつつも、開発過程に於けるテクニカル面の複雑さを軽減できるよう設計されている。
そこで当該のデモンストレーションでは、自社システムをオープンソースソフトウェアUbuntu上で稼働させるなど、他社製品と連携させた最新パージョンの〝EB corbos Linux – built on Ubuntuの柔軟性が一番の見どころとなっている。
またこうしたエレクトロビットの取り組みは昨月、フロスト&サリバンからグローバル車載OS業界でのベストプラクティス企業として「2023年イネーブリング・テクノロジー・リーダーシップ アワード(2023 Enabling Technology Leadership Award) 」を受賞した。
AWSとのクラウドベースのECU仮想化
クラウドベースの仮想開発・検証・テストを含む最新機能では、同社ブースと隣接するAWSのブース(LVCC西ホール#3901)でも、その様子が確認できる。
そんなエレクトロビットの仮想化環境は、少ないハードウェアでもECU開発を可能にするもので、カーボンフットプリントを大幅に削減しながら、開発プロセスをスピードアップできるという。
次世代デジタルコックピット
曲面スクリーンディスプレイではUnreal Engine と Android Automotiveを搭載。発表されたばかりのエレクトロビットTheming Engineの技術を駆使し、没入感のある車内体験を当該ブースに於いて再現する。
こうしたエレクトロビットのソフトウェア並びにサービスソリューションは、先に新参入したソニー・ホンダモビリティのAFEELAプロトタイプを筆頭に、様々な自動車メーカーが目指すビジョンの実現を支援しているとした。
〝Security by design(設計によるセキュリティ)〟
同領域では、エレトロビット傘下のアルガスと共に、自動車サイバーセキュリティの脅威に対するセキュリティと対処について、最先端のアプローチ手法をデモンストレーションを介して提案する。
具体的には、ECUからクラウドまで、セキュリティに対するエンドツーエンドのアプローチと、同社ソフトウェアがコネクテッドカーの量産から、個々車両のライフサイクル全域に至るまで、どのような役割を果たすかを紹介する。
パートナーエコシステム
モビリティの未来を実現するためにエレクトロビットが提携しているパートナーを含む、同社コンソーシアムの広範なネットワークを紹介する。
CESでは、AWSに加え、Sony Honda Mobility (LVCC中央ホール#20908)ではAFEELAプロトタイプにエレクトロビットのソフトウェアを搭載し、またコンチネンタル(LVCCセントラルプラザ#25)もSDVコンセプトカーにエレクトロビットソフトウェアが組み込まれる予定となっている。
最後に、エレクトロビットCEOのマリア・アンハル氏(Maria Anhalt)が、1月8日午後3時(現地時間)、LVCC西館、レベル2、W232で開催されるCESリサーチサミットのパネルディスカッションに登壇。
「スマートカーを解明する:その真の定義とは?」で講演する。アンハル氏は、エヌビディアで自動車部門の副社長を務めるダニー・シャピロ氏(Danny Shapiro)、インフォーマテックでアナリストを務めるエドワード・ウィルフォード氏(Edward Wilford)、マイテ・ベゼラ(Maite Bezerra)氏と共に登壇。
高性能コンピューティング、コネクティビティ、ソフトウェアプラットフォームがどのように現況を変えつつあるのかを探る。司会は、インフォーマテックのエドワード・ウィルフォード氏(Edward Wilford)が務める。なお以上を含むCES2024に於けるエレクトロビット・ブースの詳細などは同社サイトを閲覧されたい。