デンソーは9月12日、グループ会社であるニッパ の全株式(36.37%)を、日本みらいキャピタル 運営のファンドが全額出資する特別目的会社(ニッパホールディングス/以下、ニッパHD)に9月30日付で承継すると発表した。ニッパでは、同日開催の臨時株主総会で、この承継(デンソーが保有するニッパの全株式の譲渡)および、ニッパHDによるニッパの完全子会社化(10月1日付)について決議している。
1936年に「日本パッキン製作所」として創業したニッパは、差厚プレス(*1)、高難度精密プレスや多層インサート成形加工、ラジエータキャップの製造などを主要事業としてきた企業。1992年のデンソーの資本参加後には、絞り差厚プレス加工の共同開発などを通じて、競争力を向上させてきたと云う。
一方で、両社は、電動化の普及や自動運転技術の進歩など、事業を取り巻く環境が変化するなかで、ニッパの持続的成長に向けての検討を重ねてきたが、その結果、製造業の成長戦略支援に幅広い実績を有する日本みらいキャピタルの下、同社がこれまでに蓄積した技術・技能を活かし、既存の車載事業に加えて、非車載領域へも事業展開を図っていくことが最適であると判断。デンソーが保有する同社の全36.37%の株式を、日本みらいキャピタルに承継することを決定した。
デンソーは、引き続き事業ポートフォリオの変革を推進し、取引先の今後の事業構想も踏まえながら、サプライチェーンの維持・強靭化に積極的に取り組み、モビリティ社会のさらなる発展に貢献していくとしている。
*1:プレス加工した部品の一部分の厚さを変える加工手法。
[会社概要]
■ニッパ
– 社名:株式会社ニッパ
– 所在地:静岡県磐田市川袋1550
– 社長:山口 幸雄
– 設立年月:1936年8月7日
– 資本金:4,000万円
– 出資比率:デンソー 36.37%、個人株主 63.63%
– 人員数:275名(2024年1月現在)
– 事業内容:自動車用ラジエータキャップ、精密小物プレス部品・樹脂成形部品などの製造。各種金型・治具の設計製作。
■日本みらいキャピタル
– 社名:日本みらいキャピタル株式会社
– 所在地:東京都千代田区内幸町1-3-3 内幸町ダイビル2F
– 社長:安嶋 明
– 設立年月:2002年2月7日
– 人員数:13名
– 事業内容:投資ファンドの運営。