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2024年5月15日【イベント】

デンソー、「人とくるまのテクノロジー展2024」に出展

NEXT MOBILITY編集部

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人とくるまのテクノロジー展2024・HP

デンソー・ロゴ

デンソーは5月15日、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で22日から24日まで開催される「人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA 」と、愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo/愛知県常滑市)で7月17日から19日まで開催される「人とくるまのテクノロジー展2024 NAGOYA 」、また、それらと併催されるオンライン展示会(*1)(主催は全て自動車技術会)に出展すると発表した。

 

同社ブースでは、クルマで培った技術をコアに「環境」と「安心」分野に於ける提供価値を拡大すると共に、〝自動車業界のTier1〟から〝モビリティ社会のTier1〟へと進化するために推進する3つのチャレンジ、「モビリティの進化」「新価値創造」「基盤技術の強化」に関連する各種技術・製品を紹介する。

 

 

1. 「モビリティの進化」
カーボンニュートラル社会の実現と交通事故死亡者ゼロを目指し、開発を進める「電動化」と「ADAS」領域の技術を紹介。

 

(1)PHEV用インバーター
車室空間拡大と燃費性能向上の実現のために部品性能を大幅向上させたPHEV用インバーターの内部を公開。インバーター内の電圧を昇圧する「リアクトル」や、電圧を一定に保つ「コンデンサー」、「両面積層冷却器」など、開発した新規技術を紹介する。

 

 

(2) eVTOL(*2)用e-モーター
空のモビリティに搭載するために開発を進めるステーターとローターを組み合わせ、軽量材料の活用と冷却性能の向上により大幅な軽量化を実現した「eVTOL専用電動モーター」を紹介する。

 

左:ステーター、右:ローター。

左:ステーター、右:ローター。

 

(3)「Global Safety Package 3」 前方広角画像センサー
車両の周辺環境を認識し、安全性能向上に貢献する「Global Safety Package 3」から、交差点などでの歩行者、自転車の飛び出し事故を防止するため、検知角度を128度に広角化(*3)した「前方広角画像センサー」を紹介。道路脇から飛び出す対象物を早期に検知できる。

 

 

2.「新価値創造」
クルマで培ってきた技術をコアとし、価値提供範囲を広げ、モビリティ社会の発展に貢献すべく進めている新たな事業の中から、「エネルギー」と「サーキュラーエコノミー」の領域に於ける取り組みを紹介する。

 

(1)SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell:固体酸化物形水電解装置)
車載部品の制御技術や熱マネジメント技術や、セラミック技術などを応用し、水を効率よく電気分解して水素を作り出す次世代の高効率水素製造システム「SOEC」を紹介。

 

・参考:(デンソー)「水素社会の未来を見据えデンソーが挑む、水電解装置「SOEC」開発 」 

 

(2)バッテリーパスポートに向けたトレーサビリティ技術
現在、構築に取り組んでいる、QRコードとブロックチェーン技術を活用し、車載バッテリーのライフサイクル全体を通じて個体情報を安全に管理する「バッテリーパスポートシステム」を紹介。このシステムは、欧州電池規則に基づいて要求される車載バッテリーの各構成要素のデータ(製品情報、材料情報、性能情報など)を、デジタルデータで記録、サプライチェーン間で安全に連携できるようにするものであると云う。

 

(3)CO2回収システム(主催者展示コーナーに出展)
デンソーが技術の確立を目指している、自動車工場等から排出される低濃度のCO2を低エネルギーで回収する「CO2回収システム」を主催者展示コーナーに出展。

 

 

3.「基盤技術の強化」
デンソーがモビリティの進化と新価値創造に取り組む上で、今後のカギとなると考え、基盤技術の強化に取り組んでいる「半導体」と「ソフトウェア」について紹介。

 

(1) 車載半導体
デンソーでは、アナログ半導体に於いて、過酷な自動車環境に適応する独自の半導体プロセスと自動車動向をとらえた製品を企画し、また、電力損失を低減するSiCパワー半導体を開発しているが、今回の展示では、電動車用インバーターに搭載される「Siの300㎜大口径ウエハー」と「SiCチップ」を展示する。

 

(2)SDV(Software Defined Vehicle)
〝SDVの実現には、今までにない新たなUX(User eXperience)に基づいた新価値創出と、市場のデータを学習し車両の継続的な価値向上が必要となる〟との考えから進めている、それらを可能とする「DevOps(Development-Operations)」について紹介する。

 

(3)ソフトウェア領域の人材育成
自身の能力を把握する「ソムリエ認定制度」、必要な知識を獲得する「リカレントプログラム」、最適な活躍機会を獲得する「アサインプロセス」、実践スキルを獲得する「バディ制度」の4つで構成されたデンソー独自のキャリア開発支援「Career Innovation Program (CIP)」から、「ソムリエ認定制度」について紹介する。

 

*1:人とくるまのテクノロジー展2024 ONLINE(横浜会期:5月15日(水)~6月5日(水)、名古屋会期:7月10日(水)~7月31日(水))。
*2:Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft
*3:検知角度はデンソーの測定によるもの。

 

 

関連リンク:
・(人とくるまのテクノロジー展2024公式)デンソー出展ページ (ログインには登録が必要)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。