デンソーは4月17日、福島の復興につなげるための「スポーツ」と「水素」を通じた2つの取り組みを、同県にて発表した。発表では、「スポーツ」を通じた取り組みについて、女子バレーボール部のホームタウンを福島県郡山市への移転すること、また「水素」に関しては、目下進めている〝水素の利活用を通じた工場におけるカーボンニュートラル化〟の実証の直近の進捗状況や今後の展望などを伝えている。
2008年にグループ会社であるデンソー福島 を設立して以来、共に東日本大震災を乗り越え、絆を強化してきたというデンソーは、今後、スポーツの力で地域振興に貢献しつつ、地域企業や公的機関の人たちと福島地域で水素地産地消モデルを構築するなど、これまでに培ってきたこの〝地域との繋がり〟をより強めることで、福島の復興を支援すると共に、社会のカーボンニュートラル実現に向けて貢献していきたいとしている。
[福島の復興を支援するための2つの取り組みについて]
1.女子バレーボール部のホームタウンを福島県郡山市へ
長きに亘って日本のトップリーグに参戦、来季から新たに発足する「S-V.LEAGUE」への参戦を予定している同社女子バレーボール部(愛称:デンソーエアリービーズ )のホームタウンを、愛知県西尾市から福島県郡山市へと移転する。
エアリービーズは、2024年度のバレーボール女子日本代表チーム登録メンバーに福留慧美選手(リベロ)が選出されるなど、日本を代表するチームの一つとして活躍。福島県および郡山市とは、2017年11月にホームタウンパートナー協定を締結(※1)しているが、今後は、日本最高峰のリーグで切磋琢磨するだけではなく、デンソー福島と共に、福島県民との連携を強め、地域振興・スポーツ振興の役割を果たしていく。
なお、チーム誕生の地であり、50年以上にわたりホームタウンとしてきた愛知県西尾市は「マザーホームタウン」として、これまで通り公式戦の試合開催やバレーボール教室などの連携を継続していくと云う。
※1:(デンソー)「デンソー、バレーボールで福島県とホームタウンパートナー協定締結 (2017年11月8日ニュースリリース)。
2.「福島発」の水素利活用の進捗について
デンソーおよびデンソー福島では現在、トヨタ自動車と共同で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの支援を得て、デンソー福島の工場内でグリーン水素を製造し、それを工場ガス炉内で活用する実証実験を進めている。
同社は今回、この「水素の利活用を通じた工場におけるカーボンニュートラル化」(※2)に関する実証に関して、2024年3月末に、実際に工場内で製造した水素を使用し、納品のためのラジエーターの製造を開始するなど、この取り組みが前進したことを発表した。
今後は、さらに実証を重ね、水素製造から利活用までのパッケージを構築し、これを複数組み合わせることで、工場の規模に応じて必要とする水素量を最適に導入できるモデルを構築していくことを図っていくと云う。
そして、デンソー福島を起点に、福島地域で水素利活用を推進する仲間の輪を広げ、福島から全国へ「水素地産地消」モデルの展開を目指すとしている。
※2:(デンソー)『デンソーとデンソー福島、水素を活用した「カーボンニュートラル工場」実現に向けた実証を開始 』(2023年3月9日ニュースリリース)。