サウジアラビアを舞台に16日間・8500kmを走り切ったダカールラリー2023は1月16日にフィニッシュを迎え、TOYOTA GAZOO Racingから参戦した3台のGRダカールハイラックスT1+のナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組が2連覇を果たした。
マラソンステージ2日目、1月13日ステージ12で総合首位を守っていたアル-アティヤ/ボーメル組は、慎重にベテランらしい走りを見せ、ノートラブルでこのステージを3位で走り抜き、2位との差を1時間27分10秒へと拡大。
総合4位につけていたラテガン/カミングス組は、ステージ序盤の柔らかい砂地で横転。右リアのサスペンションとブレーキディスクにダメージを負い、大きくタイムロス。
ステージを首位から48分35秒遅れの28位でフィニッシュとなり、総合順位でド・ヴィリエール/マーフィ組にかわされる形で5位に後退した。
続く1月14日のステージ13は、予想以上の過酷さの中、TGRのGRダカールハイラックスT1+は堅実な走りで揃ってトップ10フィニッシュ。総合順位を守った。
前ステージで横転し、総合5位に後退したラテガン/カミングス組はこのステージ13で5位フィニッシュと好走。総合では4位に7分24秒差の5位となった。
翌1月15日のステージ14は、アル=フフーフからダンマームへ向かう総走行距離417km、SS距離は136km。
最後のSSを走り終えた参加車両は、100kmほどのリエゾンを経て、サウジアラビア東海岸の都市ダンマームに設置されたフィニッシュポディアムへと向かった。
この最終ステージでアル-アティヤ/ボーメル組は、首位から5分41秒遅れのステージ8位でフィニッシュ。この瞬間、アル-アティヤにとっては通算5度目、ボーメルにとっては4度目のダカールラリー総合優勝が決定。この結果、2位に1時間20分49秒の差をつけて、昨年に続く2連覇を達成した。
ド・ヴィリエール/マーフィ組は総合4位でフィニッシュ。ダカールラリー3度目の挑戦となるラテガン/カミングス組は、一時は総合2位まで浮上するも2度のトラブルで順位を落とした。それでも4位と5分以内という僅差での総合5位と検討した。
結果、ダカールラリー2023は、TGRワークスのGRダカールハイラックスT1+が1位、4位、5位。加えて、プライベート参戦のルーカス・モラエス/ティモ・ゴットシャルク組のGRダカールハイラックスT1+が総合3位に入り、トヨタ勢はトップ5のうち4台を占めた。
ちなみダカールラリー2023は、2シーズン目となる2023年世界ラリーレイド選手権(W2RC)の開幕戦でもあるため、アル-アティヤ/ボーメル組は合計85ポイントを獲得した。
ステージ毎の成績も加味されるW2RCは、2023年シーズンは全5戦で争われ、第1戦を終えた時点で、アル-アティヤ/ボーメル組は首位と2ポイント差の2位、マニュファクチャラー選手権でもTGRは1ポイント差の2位に付けている。次戦は2月の最終週に行われるアブダビデザートチャレンジとなる。
ダカールラリー2023最終結果(総合順位):
総合順位 ドライバー/コ・ドライバー(車両/チーム) 首位との差
1位 #200 ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル
(トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing)
4位 #205 ジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ
(トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing) 2時間31分12秒差
5位 #217 ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス
(トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing) 2時間36分23秒差