CEATECエグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏
CEATEC2022、10月18日~21日まで幕張メッセで3年ぶりにリアル開催
電子情報技術産業協会(JEITA)は9月30日、「CEATEC 2022」の説明会を同協会の会議室で開催した。2022年は3年ぶりに幕張メッセでリアルな会場での展示が行われるほか、2020年から行っているオンライン展示とのハイブリッド開催となる。もちろんハイブリッド開催は初めてで、会期はリアル展示が10月18日~21日、オンライン展示が10月1日~31日までとなっている。
530以上の企業・団体が出展
「3年ぶりの幕張メッセでの開催となり、私自身もワクワクしている。ぜひ幕張メッセ会場で、長い時間滞在してもらいたい。また、オンライン展示やオンラインによるコンファレンスも用意しており、オンライン展示にはリッチなコンテンツが多数用意されている。10月1日からオープンするオンライン会場を見て、興味があるものをピックアップしてもらい、18日からは幕張メッセで実際の展示を見てもらいたい」
CEATECエグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は冒頭の挨拶でこう述べた。CEATECは、2000年にエレクトロニクスショーとCOM JAPANが統合し、家電の見本市としてスタートした。その後、エレクトロニクス産業やIT産業の変遷とともに、CEATECも変化し、2016年にはコンセプトを変更して、CPS/IoTの総合展示会へと変わった。さらに17年にはソサエティ5.0の実現を目指す展示会という方向性を明確化。その結果、IT・エレクトロニクス業界を超えて、多くの産業界からの出展が増えた。
パートナーズパーク
CEATEC 2022には、530以上の企業・団体の出展が予定され、そのうち初出展が250以上に上るという。リアル開催だった2019年の出展者数は787、初出展が304だったので、約3割減となる見込みだ。
それについて、鹿野氏は「世界中の展示会を見ても、出展者数が半減したり、3割程度になっている例もある。この環境下で7割という数字は、多くの企業や団体に参加してもらっているという感覚だ」と話し、今春から夏の感染状況では出展に踏み切れなかった企業もあったとのことだ。
共創エリア「パートナーズパーク」を初めて設置
それではCEATEC 2022の展示内容について説明しよう。目玉の一つが初めて設置された「パートナーズパーク」だ。独自のテーマを設定し、あらゆる産業・業種のパートナーとともにソサエティ5.0の未来社会を体現する「共創」エリアと位置づけ、デジタル田園都市の実現に向けて、各パートナー企業が製品や技術、サービスなどを展示するほか、共創の取り組みを紹介するトークセッションも行われる。
「業種・業界はもちろん、地域の壁も越えて、新しい事業を作り出そうとする人、デジタル田園都市を支えようと意気込む人、新たな社会や暮らしを描こうとする人、そんな人々が一同に集まっている」と鹿野氏は説明する。来場者にはテーマをもとにブースを探してもらうようになっている。
また、前回のCEATECで、3000人以上の学生が来場していたということで、学生向けの企画を充実させた。例えば、ソサエティ5.0の実現に向けた最新技術や、今後の未来展望を学ぶことができる「デジタル人材」に向けた複数のプログラムを幕張メッセとオンラインの両方で実施。半導体などの未来社会の理解につながる展示や公開授業を行うことをはじめ、数理・データサイエンス・AI教育につながるオンラインコンテンツを配信する。さらに、個人・企業が未来をどうとらえるかというテーマで、アート、デザイン、エシカル、サステナブルの視点からオンラインで討議する場も設置する。
コンファレンスはすべてオンデマンド形式で配信
そのほか、CEATECが力を入れてきたスタートアップ企業についても、引き続きサポートしていく。今回はスタートアップ&ユニバーシティエリアに85社が出展、うち海外からの出展は17社となるそうだ。そして、グローバルエリアには、米国、英国、カナダ、フランス、デンマーク、ポーランド、インド、UAE、台湾が出展する。
一方、オンライン展示では、幕張メッセでのリアル展示を行う企業や団体が、バーチャル空間で展示するほか、約20社がオンラインだけで参加する。コンファレンスについては、80以上予定されているが、すべてオンデマンド形式で配信することになっている。「オンラインはキャパシティの制約がない。いつでも見られるメリットもあり、その効果は過去2回の数字に表れている」と鹿野氏。
今回は会場開催の前日の10月17日に、東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで「CEATEC 2022 ANNEX TOKYO」を実施する。10時から3本のスペシャルセッションが予定され、その後、デジタル田園都市国家構想セッション、さらに18時からはオープニングセレモニーとしてCEATEC AWARD大臣賞の表彰が行われる。総務大臣賞、経済産業大臣賞に加え、今年からデジタル大臣賞が新設された。