ユニフォーGM交渉委員(CNWグループ/ユニフォー)
カナダ国内の315,000人の労働者を代表する同国最大の労働組合〝ユニフォー(Unifor)〟とゼネラルモーターズ(GM)は、オシャワ組立工場、セントキャサリンズパワートレイン工場、ウッドストック部品流通センターでのストライキを経た10月10日(東部標準時14時11分)、共に暫定合意に達した。
今合意にユニフォー・ナショナルのラナ・ペイン会長は、「当初、主要な工場拠点に於ける閉鎖に直面した際、ゼネラル・モーターズには、我々の提案に同意する以外に選択肢はなかった。
結果、組合員の団結により、年金及び退職者の所得支援、臨時労働者のフルタイムへの転換など、当初、我々がフォード・モーター社と争っていたものと同一の全ての項目が含まれた包括的な暫定合意に至った。なおこの新たな暫定協定は、労働者4,300人を対象としている」と述べた。
またユニフォー・フォード交渉委員のジェイソン・ゲイル氏は、「今回、ゼネラルモーターズと合意に達したことで、臨時従業員、新入社員を含む全ての労働組合員が、これらの恩恵を受けることになる。
同協定は、組合員が必要とする昇給の獲得権と、退職後の生活水準を守る年金の大幅な改善を実現する。
このゼネラル・モーターズとの暫定合意は、ユニフォーが先月フォード・モーターと合意した内容に続くものであり、協定の詳細は、これの批准を確定するために投票が行われる前に、全組合員へ公開される」と話している。
合意の概要は以下の通り
●契約期間中、基本時給は生産部門で約20%、熟練労働者は約25%増加する。
●3年間の契約が終了するまでに、熟練技能労働者には、1.61ドルの生活費 (合計46.13 ドル)に加えて、時給44.52ドルが支払われる。ジャーニーパーソンの熟練技能労働者には1.61ドルの生活費に加えて、時給55.97ドルが支払われる(合計57.58 ドル)。
●協定各年度に於ける賃金上昇率は、1年目で10%、2 年目で2%、3年目で3% となる。
●2024年12月に生活費手当 (COLA) が再開される。
●賃金の昇進タイミングは8年から4年に短縮された。
●臨時のパートタイム労働者と一般の生産労働者の初任給は、1時間あたり24.26ドルから29.67ドルに増加し、12か月以内に更に30.26ドルに増加し、契約終了までに31.16 ドルに増加する。
●批准時に少なくとも1年以上の勤続年数を有するフルタイムの全臨時労働者は正社員へ転換される。
●オシャワ会議での決定を踏まえ、2026年8月1日までにフルタイムの一時的分類の適応を廃止することで同意した。
●フルタイム従業員 (現在の臨時フルタイムを含む) には10,000ドルの生産性への貢献及び製品品質に係るボーナス、臨時パートタイムにも4,000ドルが支給される。
●全ての年金制度の改善が図られる。
●DCプランに対する企業の義務的な拠出額は4% から7%に増加する。
●確定拠出年金制度の加入者は、2025年1月1日から、現在の制度加入者と全ての新規雇用者を対象とした新しい確定給付型年金に移行する。
●ユニバーサル・ヘルスケア手当と呼ばれるカナダの退職者に対しては新しい四半期毎の支払いが行われ、これら四半期毎の支払いは、3年契約者に対して継続される。
●新たに2つの有給休暇が追加された(家族の日・真実と和解の日)。