キャデラック・レーシングチームが新型マシン「V-LMDh」の開発目標を達成。2032年のIMSAとル・マンに参戦する計画が順調に進んでいる事を12月6日、GMジャパンが日本国内メディアに向けて公表した。
キャデラックブランド初の電動レーシングカーである新型「キャデラックV-LMDh」は、2023年1月28日のロレックス・デイトナ24時間レースのデビューを目指し、重要なテストをクリア。開発計画の進捗に於いて大きな進化を遂げた。
2022年7月以降、キャデラック・レーシングは約12,000マイル( 約19,000km )のオントラックテストを実施してきた。
その中には、チップ・ガナッシ・レーシングが準備したマシンによるセブリング・インターナショナル・レースウェイでの24時間テストや、アクション・エクスプレス・レーシングとの短時間の規定耐久テストも含まれている。
キャデラック・レーシング・プログラム・マネージャーのローラ・ウォントロップ・クラウザー氏は、デイトナやル・マンの過酷な24時間レースに向けて、それらが理想的なテスト環境であったと語っている。
当該のテスト環境は、夜間走行を含むレースと同等のスティントのデータを収集する事。1周3,741マイル( 6,020km )、17ターンの起伏が多いサーキットでの耐久性の検証などがテストの目的であったいう。
クラウザー氏は「あの耐久テストを完走できた事は、チームにとって更なるモチベーションとなり、大きな達成感を得る事が出来ました。まだ短期間でやるべき事は沢山ありますが、多くの事を微調整している段階です」と話している。
かつてキャデラックは、セブリングでのIMSAで2022年に表彰台を独占。過去4年間で総合優勝という実績を誇る。今回の最新鋭マシンとなる「V-LMDh」が活躍する舞台は、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とFIA世界耐久選手権だ。
両シリーズのスケジュールには、3月17日のWEC開幕戦「セブリング1000マイル」、3月18日の「IMSAモービル1セブリング12時間」レースなど、セブリング・インターナショナル・レースウェイでの日程が含まれている。
こうした事を踏まえて先の10月には、1周2.54マイル( 4.09km )、12ターンのミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタで行われたプチ・ル・マンレース直後にもテストを実施した。
キャデラック・レーシングのアシスタント・プログラム・マネージャーであるカルヴィン・パーカー氏は「同じレーストラックで、同様の外気温と路面温度のもと、レース終了から36時間以内にテストを行えたことは、非常に有益でした。
実際、『Dpi』で走ったドライバーたちが『V-LMDh』に乗り換えて同じコースを走る事が、新しいレースカーの限界を理解するのに非常に役に立ちました。幾つかのサーキットを走った事で、重量の違いやパワーの違いを比較する事が出来るようになったのです。
最初の2、3回のテストから、システムやマシンへの理解をさらに深める事で、チームのマシンに対する快適さのレベルは飛躍的に向上しました」とその成果を示した。
キャデラックレーシングチームは、12月6・7日、2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の新クラスにあたるグランドツーリングプロトタイプ( GTP )参戦を前にした全メーカーによるIMSA公認のテストで、デイトナの1周3.56マイル( 5.7km )、12ターンのロードコースで最終テストも行い、その後も開発を継続していく。
そうしたテストを経て「キャデラックV-LMDh」のレース用マシンは、ロア・ビフォア・ロレックス24 at Daytonaに先立ち、2023年1月中旬にキャデラック・ドットコムのオンラインとキャデラックVシリーズのインスタグラムアカウント上で、マシンのカラーリングを含めた全貌が公開される予定だ。