ベントレーは英国時間の7月6日、今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに於いてW12気筒エンジンが生誕20周年を迎える。これを記念して木曜日には12台のW12エンジン搭載車によるパレードが実行され、続くヒルクライムでもベントレーのヘリテージコレクションから7台が参加する。
この6.0リッターツインターボW12気筒エンジンは、過去20年という長きに亘ってベントレーを支え続けて来た存在だ。同パワーユニットは、2003年のコンチネンタルGTと共に歴史の表舞台にその名を刻んで以降、一貫してベントレーのパフォーマンスを支えてきた。
他方でW12気筒エンジンはブランドの電動化への歩みのなかで最終生産段階を迎えており、2024年4月を以てユニット製造の幕が閉じられる。
今回ヒルクライムを走るのは、マリーナテールで仕上げられたエンジニアリング耐久試験用のプロトタイプの〝カー・ゼロ・ゼロ(Car Zero-Zero)〟となり、これは現存する2台のバトゥールのうちの1台となっている。
750 PS/1,000Nmという歴代最高値を誇るエンジンを搭載したこの「バトゥール・バイ・マリナー」は、ベントレーのオーダーメイド部門であるマリナーによる最新の完全コーチビルドプロジェクトであり、僅か18台の生産車は既に販売済みだ。
また新型「コンチネンタルGT ル・マンコレクション」は、最高出力659PSをマークするW12エンジン搭載車として最高峰に位置するもの。この限定車も僅か48台のみが生産されるが、それに先立ちヒルクライムに参加する予定となっている。
同じくW12気筒エンジン生産の節目を迎える今回は、それを記念して、特別なスピードモデルも製作した。この「エディション12シリーズ」にはW12気筒エンジンにインスパイアされた数々の装飾が盛り込まれながら、コンチネンタルGT、コンチネンタルGTC、フライングスパー、ベンテイガスピードが各120台ずつ生産される予定だ。
グッドウッドでは、そのなかでもフライングスパー・スピード・エディション12が、新しいペイントカラー「オパライト」を纏って披露される。更にヒルクライムに登場する最後のW12エンジン搭載車が「コンチネンタルGTパイクスピーク」で、2019年にパイクスピークで量産車クラスの新記録を樹立したクルマそのものが初参加する。
なおベントレーのオリジナルスーパーカー、4.5リッタースーパーチャージド、通称ベントレーブロワーも披露される。走行するのは1929年製チームカー#2をベースとして、マリナーがゼロから12台だけ製作した世界初の戦前車の継承プロジェクト、「ブロワー・コンティニュエーション・シリーズ」の0号車となる。