夫婦による世界初の冒険を通じEV性能を訴求し気候変動への今の姿を紹介
日産自動車は2月1日、北極から南極まで(Pole to Pole)約27,000キロメートルの冒険に向かう〝Pole to Pole探検チーム〟がステアリングを握る極地探検仕様の「アリア」をアイスランドのレイキャビックで公開した。
冒険のスタートは3月。この壮大な冒険では氷原や深い雪、急勾配の山や人を寄せ付けないような砂漠の砂丘など、息を呑むほどに美しくありながら、極限までに過酷な地形や環境の中を旅して行く。
極地探検車のスペシャリストであるアークティック・トラックス社は、日産のデザインチームとエンジニアリング・チームらと協力。これからの厳しい環境に対応出来るよう「アリア」の準備を進めてきた。
但し、その準備は意図的に最小限に抑えられた。例えばバッテリーやパワートレインは市販車のままとなっており、最も大きな変更点はサスペンションの調整と39インチタイヤの採用となっている。
これらを日産の電動四輪制御技術と組み合わせる事で、探検車は極限の地形に挑み、南極点への到達のために必要な快適性と制御を備えた。
今回の冒険のリーダーであるクリス・ラムゼイ氏は「私たちの冒険が目指す事のひとつに、クルマの本当の実力、日常的な能力を明確に示すということがあります。ですから標準的な市販EVを使用し、最小限の変更でどんな場所も走ります。
今回も同様で、ドライブトレインとバッテリーは工場出荷時のままである市販の『アリア』を使用し、このクルマがいかに高性能で多用途であるかを示します。
一方でサスペンションは変更して、ホイールアーチを広げる事で、安定したプラットフォームと39インチのBFグッドリッチタイヤのベネフィットをより引き出す事が出来るようにした。
これにより、もともと素晴らしいクルマが、さらにスタイリッシュになり、地球の果てまで行けるよう準備が整いました。今からドライブするのが楽しみでなりません」と語った。
ちなみに大のコーヒー好きであるクリス・ラムゼイ氏は、特別に組み込まれたエスプレッソマシンによって、長時間の旅の途中でサステナブルコーヒーをいつでも楽しむ事が出来るようにしている。
そして、屋根の上のユーティリティユニットからは、直接飛ばす事が出来るドローンを使って、壮大な環境の美しさを撮影する事も可能たという。
また、今回の冒険では、再生可能エネルギーを活用する革新的なポータブルユニットを極地での「アリア」の充電に使用する。
牽引可能なこのプロトタイプには、軽量の風力発電機とソーラーパネルが搭載されており、強風と長い日照時間を利用して、ドライバーが休憩している間にEVのバッテリーに充電を行う。
コドライバーを務める妻のジュリー・ラムゼイ氏は「この4年間、私たちはPole to Poleの計画と準備に生活の大半を費やしてきました。3月のスタートが本当に楽しみです。
旅の途中では、気候変動に対して積極的に行動を起こしているコミュニティや個人の興味深い取り組みを見つけ、その経験とストーリーを皆さんと共有していきたいと思っています。私たちの冒険は、これまで誰も試みた事のない世界初の挑戦です。本当にワクワクしています」と話している。