アルファロメオF1チームオーレン( Alfa Romeo F1 Team ORLEN )は9月27日、中国人ドライバーの周冠宇( ジョウ・グアンユー/Zhou Guanyu/上海出身の23歳 )が2023年シーズンもチームに残留する事を発表した。( 坂上 賢治 )
F1に参戦する最初の中国人ドライバーとして、歴史に名前を刻んだ2022年。早くもバーレーングランプリのデビュー戦でポイント(10位)を獲得。その後も周は、彼の若さに似つかわしくない落ち着きと高度なドライビングテクニックで、アルファロメオF1チームオーレンをコンストラクターズチャンピオンシップで6位につけるための数々の貢献をした。
チームメイトのバルテリ・ボッタスとも親密なパートナーシップを築き、予選とレースの両方でラウンド毎のパフォーマンスの進歩を示し、その姿勢と態度でチームに感銘を与えた。
また彼の勤勉さはチーム全員からの賛意も獲得。スイス・チューリッヒ州ヒンヴィルにあるチーム本社拠点で常連組のひとりとなった周は、シミュレーター プログラムの進歩にも貢献するなど、既に来期に向けた歩みを始めている。
そんな彼についてチームプリンシパル(代表)のフレデリック・ヴァスール氏は、「実は昨年のアブダビのテストの段階で、彼の仕事に対する姿勢に感銘を受けた事を覚えています。
勿論、ひとたびマシンに乗れば、彼が持ち前の速さを発揮出来る事は判っていましたが、それでも彼がこれだけの短時間でF1に適応した事は、本当のところ、我々にとって驚きのひとつでした。
また周はとてもいいヤツで、チームの誰もが彼の態度と性格を、とても気に入っています。彼は誰に対しても謙虚に質問を投げ掛け、エンジニアやチームメイトのバルテリ(ボッタス)から学び、レース毎に自身のドライビングテクニックを改善するために得た全ての情報を消化出来る知性も持っています。
彼は、今年の経験を次のシーズンに生かしてくれるだろうし、私たちがチームを成長させ続ける中で、彼は更に一歩一歩、着実に前進していく事を確信しています」と語っている。
またアルファロメオチームCEOのジャン・フィリップ・ インパラト氏は、「周はレーシングトラック上で単純に好成績を刻むだけでなく、アルファロメオがグローバルプレミアムブランドである事を認識している優れたドライバーです。
そうした意味で彼はブランドのコアバリューのひとつを体現している存在と言えるでしょう。2023年のF1シーズンを通し、特にアルファロメオの将来に重要な役割を果たす中国市場で、彼がF1レース並びにアルファロメオブランドの認知度を高める事にも貢献してくれるでしょう」と述べた。
一方、当人の周冠宇は、「アルファロメオF1チームオーレンがもう1シーズン、チームの一員となる機会を与えてくれた事に感謝しています。
F1に参加することは僕にとっては夢の実現であり、そんな夢の中でステアリングを握ってF1のスーパースター達と競っていく経験は、永遠に僕の心の中で生き続けるでしょう。
このスポーツへの挑戦で、チームの皆と共感し、達成したい事はまだまだ沢山ありますが、今年の初めからひとつひとつ取り組んできたハードワークの克服は、次なる来シーズンに向けた、第一歩に過ぎません。
学ぶべき事、努力すべき事はまだ沢山ありますが、今の僕は来期の仕事に自信を持って挑んでいく準備が出来ています。皆さんも、僕たちチームの新たな物語の次の章を一緒に愉しんで下さい」と話している。