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2022年10月17日【イベント】

MotoGP第18戦でアレックス・リンス選手が優勝

坂上 賢治

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2022年のFIM( 国際モーターサイクリズム連盟 )ロードレース世界選手権・第18戦オーストラリアGP( 開催地:ビクトリア州フィリップ島、開催期間:10月14~16日 )のMotoGPクラス決勝レースが10月16日に1周4.445kmのフィリップ・アイランド・サーキットを27周する規定で行われた。( 坂上 賢治 )

 

同レースで、チーム・スズキ・エクスター( スズキワークスチーム )のアレックス・リンス選手( スペイン バルセロナ )の「GSX-RR」が平均速度176.4キロメートルを刻んで優勝。激戦を制したリンス選手とっては2年振り・通算4度目の勝利。スズキがレースオーガナイザーとの参戦契約期間中の5月に突然、MotoGPから撤退すると表明して以来、初めての栄冠を勝ち取った。

 

 

2021年のアメリカズGPでポディウムのトップに立ち、スズキに通算500勝目をプレゼントして以降、これまで躍進するドゥカティ陣営やアプリリアに抗しきれずに良いところを見せられなかったリンス選手。

 

 

今大会でも好タイムを刻む事がなかなか出来ずに居たが、数日前の模様から打って変わってドライコンディションで始まった決勝は10番グリッドからのスタートとなった。

 

ホールショットはポールポジションからホルヘ・マルティン選手( ドゥカティ )がホールショットを奪って先行。これをマルク・マルケス選手( ホンダ )、フランチェスコ・バニャイア選手( ドゥカティ )、アレイシ・エスパルガロ( KTM )、ファビオ・クアルタラロ( ヤマハ )が追う展開。

 

 

当初は、5台が鍔迫り合いを繰り返した後、先行するマルティン選手をマルク・マルケス選手が追い縋り、3〜4代の上位グループを形成する状態だったが、3周目にジャック・ミラー選手( ドゥカティ )がクアルタラロ選手が抜いて5番手に浮上。ミラー選手は、戦いの場をエスパルガロ選手との4番手争いに移して行く。

 

後退したクアルタラロ選手は、迎えた4周目にブレーキングミスによりコースアウトして、後続gグループに飲み込まれてしまう。その間、リンス選手が後方からの追い上げを開始。4番手争いをしていたエスパルガロ選手とミラー選手を攻略して4番手に浮上する。

 

 

9周目にアレックス・マルケス選手( LCRホンダ )がミラー選手を巻き込んで転倒。これにより母国レースでの勝利を夢見ていたミラー選手は、図らずも戦列から離れ、リタイヤの憂き目となった。

 

レースの残り周回数が20週を切った段階で、マルティン選手が首位を走り続ける中で、リンス選手は11周目にマルク・マルケス選手をオーバーテイクして2番手に。更にリンスがマルティン選手を追い抜いてトップに浮上する。一方、クアルタラロ選手は転倒を喫し、再スタートを切ったものの大きく後退する。

 

 

しかし14周目にはバニャイヤ選手がリンス選手を抜きトップに。結果、リンス選手とマルケス選手、バニャイヤ選手の三つ巴の状況に突入する。その後、20周目でリンス選手がバニャイヤ選手をオーバーテイクするも、ホームストレートでバニャイヤがトップに立つというデットヒートを繰り返した。

 

先頭に復帰。さらに同じくドゥカティ陣営のマルコ・ベッツェッキが2番手に浮上した。レース終盤は、バニャイヤ選手、トップ集団に追い付いたマルコ・ベッツェッキ選手(ドゥカティ)、リンス選手、マルク・マルケス選手の4台に勝者が絞られる。

 

 

結果、最終ラップでリンス選手がスリップストリームを使って最高速に勝るバニャイヤ選手に並び、続くコーナーでオーバーテイクに成功する。この機をうかがっていたマルク・マルケス選手もバニャイヤを抜き、走行順はリンス選手・マルク・マルケス選手、バニャイヤ選手の布陣になる。

 

 

高速性能では、ドゥカティなどのライバルに劣るリンス選手は、それでもマルク・マルケス選手とバニャイヤ選手を従えてゴールラインを潜る。これによりチームスズキエクスター、リンス選手共に今シーズン初勝利。2シーズン振りの優勝。チームスズキエクスターとしては、フィリップアイランド初優勝となった。

 

 

2位は、右腕骨折の再手術で長期欠場が続いていたマルク・マルケス選手が今季初の表彰台。3位にクアルタラロ選手とチャンピオンシップを争っているバニャイヤ選手が入った。これによりバニャイヤ選手が今年のチャンピオンシップで首位となっている。

 

 

MotoGP第18戦 オーストラリアGP 決勝レース結果

1位: アレックス・リンス(スズキ)
2位: マルク・マルケス(ホンダ)
3位: フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。