中小型トラック用電動パーキングブレーキキャリパー
曙ブレーキ工業は3月6日、〝中小型トラック用電動パーキングブレーキ(EPB/Electric Parking Brake)のモータギヤユニット開発〟で、一般社団法人日本機械学会から2023年度「日本機械学会賞(技術)」を受賞した。
この日本機械学会賞は、日本の機械工学と工業の発展を推奨することを目的として、1958年に設けられ、毎年優れた論文、技術、製品が表彰されている。
曙ブレーキ工業は1982年に〝乗用車用新形ディスクブレーキの開発〟で自動車部品業界として初めて同賞を受賞。更に2016年には〝市販ロードカー用高性能自動車ブレーキの開発と量産化〟で受賞していたことから今回が3回目の受賞となる。
自動車業界では昨今、自動車の電動化により搭載システムの電子制御化が進んでいるが、ブレーキに対しても消費電力の低減、車両の軽量化、安全性向上に繫がる製品開発が求められている。
その動向は乗用車用のみならず、商用車用にも波及しており、更にはドライバーの負担軽減に繫がる製品のニーズも高まってきている。同社は、これらのニーズに対応すべく、高出力かつ耐久性に優れた電動パーキングブレーキ用モータギヤユニットを開発し、量産供給を実現した。
この製品は、中小型トラックの多くに適用されている2ピストンディスクブレーキをベースとしている。その抗争は、1つのモータ出力を2つのスピンドル機構を介し、2つのピストンに伝達する世界初の独自機構を介して、軽量かつ小型化を実現。しかも発生出力は、既存の他社量産品に対し200%以上もの高出力となっている。
これだけの高い出力を得ると共に、必要な電流値自体は10A程度と乗用車用既存製品と同等に抑えて車両1台当たり3kg以上の軽量化を図った。今後は、国内外の様々な車種へこれらの技術の展開を進めていく構えだ。
曙ブレーキ工業では、「これらの技術開発により、持続可能な社会の実現を目指し、環境に配慮した安全・安心な社会つくりに貢献します。
今後とも、当社のコア技術である〝摩擦と振動、その制御と解析〟に関わる全ての分野で世界を牽引する存在となるべく、独自技術の構築に向け研究開発に取り組んでまいります」と話している。